「感染防ぐ」意識徹底を コロナ禍での企業活動

2020年05月25日 10時00分

ワークシェアなど負担軽減を

ケンズプロ社長・社会保険労務士
新田和代氏

 新型コロナウイルス感染拡大に伴い、感染症に対するリスクマネジメントが企業に求められている。企業のリスク管理に関するコンサルタント業務を請け負うケンズプロ(本社・札幌)の社長で社会保険労務士の新田和代氏は、感染拡大が人材に与える影響は多大であるとし、感染予防を徹底するとともに、働き方改革を含めた人材確保に向けた取り組みを進めるよう呼び掛けている。

 新田氏は、コロナ禍に対して「形式だった感染症に関するBCP(事業継続計画)を作るのはある程度収束して落ち着いた後で良い」とする一方、「従業員に感染が広まれば事業が止まってしまうので、取り急ぎは感染予防の取り組みを早急に決めて従業員に教育した方がいい。合わせて人材確保の取り組みもできるタイミングでやっていったほうがいい」とアドバイスする。

 感染予防については手洗いの励行や消毒剤の設置、マスク着用、毎日の検温のほか、作業員同士で距離を保つことや、体調不良や感染の可能性がある場合には自宅待機をさせるなど、職場や従業員の衛生活動と健康管理を徹底させるよう指導する。対策をチェックリストにまとめ、ポスターの掲示や朝礼で毎日確認するなどして全員が危機意識を共有し習慣化させることがポイントだ。

 働き方改革や業務の省力化を進めることも従業員の感染防止や健康維持につながる。「現場に作業員が密集するといけないので、仕事を仕分けして効率的に進めつつ削れる仕事は削らないといけない」と指摘する。また多能工化やワークシェアリングを進めることで「この人が休んだら仕事が進まない」という形をつくらないようにするようにも大事。併せてハラスメント対策を推し進めて従業員のストレス軽減を図ることも勧める。

 こうした取り組みは、今後の従業員の育児休業や介護休業などにも生かせる。その意味で国民一人一人が感染防止に向けて意思を共有している今が働き方改革を推進する契機とも言える。

 企業の採用活動に関しては「学生側にとって売り手市場だったのが、今は内定取り消しや解雇が話題になっている。そこにアプローチしたらどうか」と、好機と捉えるよう提案する。公共工事によって毎年度ある程度の事業量が確保されていることもあり、コロナ禍の影響を直に受けている他産業と比べると建設業の経営環境は安定しているとみられる。「建設業に対しても耳を傾けてもらえる時期なのではないか」と、衛生行動を徹底して3Kのイメージを払拭(ふっしょく)し、建設業の魅力をアピールすることを勧めている。

(北海道建設新聞2020年5月22日付1面より)


関連キーワード: 人材確保 働き方改革 新型コロナ

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