おとなの養生訓

おとなの養生訓 第184回「オンライン飲み会」 気軽さと自由 新たな形

2020年06月01日 09時00分

 新型コロナウイルス感染拡大によって、外出自粛要請が出ました。学校も休校となり、会社も時差出勤、在宅勤務などが推し進められて、同僚と会う機会が激減しました。さらに、密集、密接、密閉を避ける意味もあって、飲食店への休業要請が出て、会食はほぼ絶滅となってしまいました。そんな中で、意外と広まっているのが、オンライン飲み会というものです。

 在宅勤務中に会議を行うために、一気に広まったテレビ電話システムあるいはアプリを活用して、お酒を片手にオンラインで井戸端会議をやろうというものです。

 一緒にお酒を飲んでいるわけでもないし、全員ほぼ自宅にいるのだから、会食に必要と思われる非日常性がないので、面白いわけはないと思っていたのですが、意外にも流行っているというのです。

 各自、好みのお酒やつまみを用意して、パソコンやスマートフォンの前に座ります。画面には参加した全員の画像が並び、声をそろえて乾杯。いろいろ話をしながら飲むわけです。もちろん、お酌なし。途中参加も中座も自由です。

 ただ、2、3人ではいいのですが、それ以上の人数になると、同時に複数の人が話し始めて、混乱が起こるとのこと。このため、幹事が司会をやる感じで進んでいくので、まさに会議になるそうです。これは、少し窮屈かな。

 利点か欠点か分からないのは、自宅で飲んでいるので、リラックスしてお酒の回りが早いということです。早々に出来上がる人が多く、眠ってしまって、反応しなくなったりするそうです。まあ、この辺りは、深夜の居酒屋の状況と同じでしょうか。でも、自宅でつぶれているので、安心といえば安心ですが…。

 しかし、全く宴会ができなくなった状況で、こうしたことを考え出すというのは、驚きです。ドライになった、宴会に行きたがらないと、年配の方々から聞いていましたが、若い人は、それなりに宴会を必要としていたということでしょうか。

 出入り自由、お金は各自持ち、お酌して回る必要なし。面倒くさいことがない、気軽で自由な宴会が必要だったのです。だいたい、宴会が堅苦しいって、根本的に間違っていますね。

 今後、自粛の必要がなくなり、夜の街が活気を戻したとき、宴会の内容は大きく変わっている気がします。きっといい方向です。

(札医大医学部教授・當瀬規嗣)


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