明日を見いだす 建設業若手経営者の挑戦

 建設業で30代、40代の経営者が続々と登場している。

 足元では少子高齢化、ITの発展で社会が大きく変化する中、コロナショックの発生で経済は混乱のさなかにある。不透明感を増す新時代を担う経営者たちは、これまでどう歩み、これから何を目指すのか。

 北海道建設新聞は、北海道経営未来塾(長内順一塾長)の協力を得て、同塾で学んだ建設業の若手経営者7人を取材した。連載で紹介する。

明日を見いだす 建設業若手経営者の挑戦(6)白崎建設 白崎喬大社長室長

2020年06月15日 12時00分

技術×信用 釧路に貢献 建設業もかっこいい!働く姿見て

白崎喬大社長室長(30)

 「わが社の社是は『技術と信用で地域に貢献する』。会社や個人が積み上げてきた経験と知識を掛け合わせた技術と、これまで完成させてきた工事を通じて発注者や地域住民から勝ち得た信用で利益を確保しながら適切な投資をし、いい施工を続けることが最大の貢献だと考える」

 白崎喬大さんは大学卒業後の4年間、東京の人材コンサルティング会社で営業を経験し、2016年に帰郷。父の義章さんが社長を務める白崎建設に入社した。

 1年目は道横断自動車道、2年目は釧路港のバルク桟橋を整備する現場に配属。いずれも釧路開建が発注した非常に重要なインフラ工事だった。翌18年は社長室長となり、昨年6月に取締役に就任している。

 北海道経営未来塾には昨年4期生として入塾し、今年の5期も引き続き名を連ねる。経営の「レジェンド」たちから貴重な話を聞けるほか、塾生には建設業以外の創業者が多く、その人たちと交流できたことも大きな財産。「建設業は他業種と考え方が違う。それに創業者でない私にとって、創業者の皆さんの話はとても参考になる」と話す。

 地元・釧路の最大課題は基幹産業だった石炭、製紙、水産業がいずれも衰退し、人口が減っていること。しかし釧路は過ごしやすい気候、おいしい食べ物、雄大な自然に恵まれ、可能性を秘めている地域でもある。

 こうした環境を生かして新たな産業を創出・誘致するには高規格道路網の充実、釧路港や釧路空港へのアクセス改善などを粘り強く求めることも欠かせない。

 建設業はこのようなインフラ整備を支えるだけでなく、除雪や災害復旧など地域にとって欠かせない存在。自社としては品質、原価、工程の管理を追求し、事故なく安全に施工しながら着実に利益を上げることが肝要と捉えている。持続的に地域への役割を果たしていくためには、例えば重機の購入や巨大津波への備えとしての社屋移転といった投資も必要で、利益がなくてはそれもままならないからだ。

 また同社では30代の技術者がすっぽり抜けているため、40代以上の人に少しでも長く働いてもらい、その間に若い技術者をしっかり養成するような取り組みも求められている。今年、初の女性技術者が誕生したことも踏まえ、「新たな技術者のスタイルを確立したい」と意欲を示す。

 一方、若年入職者の確保に向けては、業界としてももっと力を入れて取り組まなければとの思いもある。「自衛隊に入りたい」と話していた工業高校1年生に理由を聞いたら「災害復旧に取り組む姿がかっこいい」という答えが返ってきた。自衛隊が活躍する舞台を整えたのは地元建設業者のはず。その姿を若者や親御さんに知ってほしい、コロナ対応で多くの人々から応援される医療従事者のような存在になれれば、と願う。

 「いまの私の最大のミッションは結婚」と苦笑いする30歳の趣味は読書。「本は自分が考えもしなかったことを教えてくれる」

(釧路支社・武弓弘和)

白崎建設
 本社=釧路市城山1丁目10の5、創業=1885年、法人化=1950年、資本金=5000万円、社員数=47人

白崎喬大(しらさき・たかひろ)
 1989年8月14日、釧路市出身。釧路湖陵高、明治大経営学部卒業後、東京で4年間の人材コンサルティング会社勤務を経て2016年4月に白崎建設入社。

(北海道建設新聞2020年6月8日付3面より)


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