おとなの養生訓

おとなの養生訓 第186回「おとなのコロナ対策」 酒席でも消毒、換気意識

2020年06月29日 09時00分

 国の緊急事態宣言は解除され、営業自粛要請も段階的に解除されてきています。すでに、歓楽街での飲食店の営業が再開されました。今後、酒席も増えてくるものと思われます。一方で、新型コロナウイルスの感染報告は、少ない数ですが続いており、常に感染防止に心掛けなければなりません。そこで、酒席での感染予防はどのようにすればいいのか考えてみました。

 まず、入店時に必ず手指消毒をすること。お店には消毒液が用意されていますので、忘れずに。この際、手の甲、手背、指先、指の間に消毒液を丹念に擦り込んでください。アルコールなどが蒸発するまで続けます。消毒液を拭うためにおしぼりや紙タオルを使うのは、消毒の効果を帳消しにするのでやめてください。トイレなどに出入りする際も必ず消毒してください。

 できればマスクは着け続けてほしいところです。そうすれば、飛沫(ひまつ)が飛ばないので、会話は可能です。マスクを外しているときは、なるべく小さな声で、向かい合わせにならずに会話してください。ボックス席やカウンター席に並んで座り、会話をするのがいいでしょう。お店の方にも、換気に気を配ってもらいます。換気できていれば、飛沫感染の危険性は下げられます。

 おしぼりは置きっぱなしにしない方がいいです。使ったおしぼりは、すぐ下げてもらいましょう。放置されたおしぼりに飛沫が付着すると、ウイルスは長生きする恐れがあります。

 食べ物は、大皿や大盛りは避けましょう。これも置きっぱなしになるので、飛沫がかかる恐れがあります。そして、飲み物を混ぜるマドラーに気を付けましょう。いろいろな人のグラスに同じマドラーを使うのが一番危険です。マドラーはそれぞれ専用にしてもらうのがいいでしょう。

 カラオケは、まず、マイク、リモコンが共通になるので、使うたびに消毒しましょう。マイクの集音部分だけでなく、持ち手側の消毒を忘れずに。そして、人に向かって歌うのは危険です。人のいない方向に向いて歌いましょう。スクリーンがあれば大丈夫です。少し小さめの声で。スピーカーの音量を上げればいいのですから。

 肩をたたく、握手する、抱きつくなど、ボディータッチは全て厳禁です。酔いが回ると触りたがる人も多いので、お気を付けください。

 いろいろ面倒かもしれませんが、これが「おとなの飲み方」です。

(札医大医学部教授・當瀬規嗣)


おとなの養生訓 一覧へ戻る

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

  • 東宏
  • 日本仮設
  • 北海道水替事業協同組合

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

藻岩高敷地に新設校 27年春開校へ
2022年02月21日 (3,199)
おとなの養生訓 第245回 「乳糖不耐症」 原因を...
2023年01月11日 (1,524)
ヒトデ由来成分でカラス対策 建設業界に鳥類忌避塗料...
2019年06月28日 (1,400)
交通体系整備を考える会、札幌外周高速道を構想
2023年06月20日 (1,384)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (1,356)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第258回「体温上昇と発熱」。病気による発熱と熱中症のうつ熱の見分けは困難。医師の判断を仰ぎましょう。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第34回「1日2470個のご飯粒」。食品ロスについて考えてみましょう。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第32回「読解力と認知特性」。特性に合った方法で伝えれば、コミュニケーション環境が飛躍的に向上するかもしれません。