国の緊急事態宣言は解除され、営業自粛要請も段階的に解除されてきています。すでに、歓楽街での飲食店の営業が再開されました。今後、酒席も増えてくるものと思われます。一方で、新型コロナウイルスの感染報告は、少ない数ですが続いており、常に感染防止に心掛けなければなりません。そこで、酒席での感染予防はどのようにすればいいのか考えてみました。
まず、入店時に必ず手指消毒をすること。お店には消毒液が用意されていますので、忘れずに。この際、手の甲、手背、指先、指の間に消毒液を丹念に擦り込んでください。アルコールなどが蒸発するまで続けます。消毒液を拭うためにおしぼりや紙タオルを使うのは、消毒の効果を帳消しにするのでやめてください。トイレなどに出入りする際も必ず消毒してください。
できればマスクは着け続けてほしいところです。そうすれば、飛沫(ひまつ)が飛ばないので、会話は可能です。マスクを外しているときは、なるべく小さな声で、向かい合わせにならずに会話してください。ボックス席やカウンター席に並んで座り、会話をするのがいいでしょう。お店の方にも、換気に気を配ってもらいます。換気できていれば、飛沫感染の危険性は下げられます。
おしぼりは置きっぱなしにしない方がいいです。使ったおしぼりは、すぐ下げてもらいましょう。放置されたおしぼりに飛沫が付着すると、ウイルスは長生きする恐れがあります。
食べ物は、大皿や大盛りは避けましょう。これも置きっぱなしになるので、飛沫がかかる恐れがあります。そして、飲み物を混ぜるマドラーに気を付けましょう。いろいろな人のグラスに同じマドラーを使うのが一番危険です。マドラーはそれぞれ専用にしてもらうのがいいでしょう。
カラオケは、まず、マイク、リモコンが共通になるので、使うたびに消毒しましょう。マイクの集音部分だけでなく、持ち手側の消毒を忘れずに。そして、人に向かって歌うのは危険です。人のいない方向に向いて歌いましょう。スクリーンがあれば大丈夫です。少し小さめの声で。スピーカーの音量を上げればいいのですから。
肩をたたく、握手する、抱きつくなど、ボディータッチは全て厳禁です。酔いが回ると触りたがる人も多いので、お気を付けください。
いろいろ面倒かもしれませんが、これが「おとなの飲み方」です。
(札医大医学部教授・當瀬規嗣)