建設資材の価格改定が目立つ。LIXILは9月から複層ガラスやシャッターなど住宅用建材の価格を最大で30%ほど値上げする。2020年上期はコンベヤーベルトやポリエチレン製品が相次ぎ値上がり。給水給湯用の管や継ぎ手も上昇傾向にある。今後は生コン最大市場の札幌でも価格改定の議論が始まる見通しで、公共・民間問わず今後の積算価格に影響が及びそうだ。
LIXILは9月1日受注分から一部の住宅用建材のメーカー希望小売価格を改定する。改定率は建築用加工ガラスで10%程度、雨戸や天窓は20―30%程度、耐風タイプのシャッターで25%程度。原材料や物流費が高騰する中、生産性の向上やコスト削減など自助努力では対応しきれないと考え、値上げに踏み切った。
20年上期は樹脂類やゴム製品の値上げが相次いだ。原料の石油化学製品が上昇しているため。ブリヂストンは給水給湯用の配管や継ぎ手、関連部材を5月に平均8%値上げした。アイカ工業は3月から、工業用フェノール樹脂を1㌔㌘当たり30円値上げした。
バンドー化学は、工場などで使われるコンベヤーベルトの価格を1月受注分から10%以上値上げした。三ツ星ベルトも摩擦伝動ベルトや樹脂コンベヤーベルト、ゴムコンベヤーベルトの価格を2月受注分から5%上げた。
ノザワは、ビル外壁などに使われる押出成形セメント板のアスロックを4月に8―10%値上げした。東芝ライテックも4月に3波長蛍光ランプの価格を25―35%引き上げ。パナソニックは、タイムスイッチやフル2線式リモコンなど電設資材関係商品の価格を4月1日から値上げした。
生コンクリートは札幌市場の価格動向が注目される。現状の積算価格は標準物(呼び強度21N、スランプ18cm、粗骨材20㍉)で1m³当たり1万3300円。20年上期は南北海道や後志などで価格改定が進み、全道的には1万8000円前後が中心値となっている。
札幌はこれまで民間企業の設備投資向け需要が旺盛だったため、組合による改定は見送られてきた。ある事業者は「今後は改定額やゼネコンへの周知のタイミングを議論しなければならない」と話している。
(北海道建設新聞2020年7月7日付3面より)