勝納ふ頭機能集約 第3号ふ頭拡張なども構想
小樽市は、小樽港長期構想計画の素案をまとめた。日本海側の物流・交流拠点港としての発展を基本理念に設定。短中期のハード対策には、勝納ふ頭でフェリーターミナル機能集約と耐震強化岸壁の整備、第2号ふ頭拡張などを盛り込んだほか、将来的にはクルーズ船の5隻同時受け入れを可能とする、第3号ふ頭の拡張を構想している。

クルーズ拠点化が進む第3号ふ頭の将来イメージ案
17日に小樽経済センターで開催した第3回小樽港長期構想検討委員会で明らかになった。社会情勢や利用状況の変化を受け、物流、観光、防災を3本柱とする小樽港港湾計画の改定作業を、21年7月を目標に進めている。
素案では、9つの将来プロジェクトと、対応する短中期・長期のハード施策を示した。フェリー拠点形成では、短中期で分散するシャーシ置き場の集約、耐震強化岸壁の整備、安全な歩行誘導線の確保に取り組み、長期で荷さばき地拡張や自動運転対応の交通施設整備を進める。
穀物基地形成は、短中期で厩町ふ頭への機能移転(ふ頭再編)と第2号ふ頭の拡張(ふ頭整備)を挙げたほか、港町ふ頭マイナス13m泊地増深を構想。漁港区の高島地区は、防波堤やHACCP対応施設の整備を検討する。
第3号ふ頭クルーズ拠点化に伴うハード施策では、短中期で対応岸壁や旅客船ターミナル、基部の交流広場等の整備を挙げ、長期で勝納ふ頭の22万㌧級クルーズ船対応岸壁、第2号ふ頭へのふ頭用地確保と第3号ふ頭の拡張を掲げた。対岸貿易拠点の形成では、港町ふ頭のコンテナヤード集約・拡張を挙げている。
マリンレジャー拠点では、船舶大型化対応のマリーナ機能強化、第2期運河係留機能の廃止、手宮地区小型船だまり整備、若竹地区ボートパーク導入など。このほか、小樽港縦貫線の車線数・歩道幅員の確保、港湾施設全般の老朽対策を盛り込んだ。
今後は、9月にパブリックコメントを実施。11月の第4回検討委員会を経て、12月に長期構想を策定し、これをベースに港湾計画の改定作業を本格化させる。
(北海道建設新聞2020年7月21日付11面より)