手入れも簡単 家族で楽しんで
エクステリアの設計・施工を手掛けるベルディ(本社・札幌)は手入れが簡単な造花とカラーリーフを提案している。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため在宅時間が長くなる中、植物の持つリラックス効果が期待される。
寒冷地の場合、冬場は庭で育てた花を部屋に飾るのが難しい。造花であれば季節を問わず入手しやすく、非常時にしばらく手入れができなくても枯れて虫が発生するリスクがない。
道内はここ10年で管理しやすくコンパクトな住宅の人気が高まった。特に30代までの若い世代では樹木を植える人が減り、相続した庭の樹木の伐採依頼が増えた。樹木は花粉や落ち葉が近隣住民とのトラブルになる恐れから敬遠されるようになった。
1990年代にガーデニングブームが到来。手入れの大変さから2000年代にはイングリッシュガーデンがもてはやされた。住居への価値観が変化して管理コストを下げるため庭の縮小が進んだ。余ったスペースには人工芝などの設置が広まった。
日当たりの悪い場所にも導入できる人工樹木や造花のレンタル事業を手掛ける。季節に合わせたフラワーアレンジメントをオフィスやマンションのエントランスや応接室などに設置。華やかでリラックスできる空間を演出する。3密を避けた非対面のウェブ会議時に映り込む背景にも最適だ。
テーブルに置ける20―30cmのSサイズ、飾り台に置く50―70cmのMサイズ、床置きの100―130cmのLサイズを用意。毎月交換と3カ月交換のプランから選択できる。
庭には葉の色の種類が豊富なカラーリーフを提案する。寒さに強い品種があり、花の咲かない時期でも葉の美しさを楽しめる。水やりや肥料の手間が少なくオフィスやファミリー層でも導入しやすい。
19年に事業拡大と冬の雇用創出のため、埼玉に拠点を追加。コロナ禍では現地に行かない仕事が増えたという。オンライン会議システム「Zoom」を用いた非対面の打ち合わせに対応。設計ソフトを用いてその場でデザインし、打ち合わせ時間の短縮を図る。これまでのIT化と遠隔地からの営業経験が受注を後押しした。
関東エリアでは高層ビルのミーティングルームの人工植物を用いた彩りある空間づくりを手掛けた。戸建ては木製のガレージや物置の人気が高まっている。無機質なスチール製にはない温かみある木材の庭との調和が消費者の心をつかむ。
関本七重社長は、人の集まる場所に出掛けるリスクを避ける動きが出ていることから、消費者のガーデニング需要増加を見込む。「普段は手入れの簡単な生花と造花を併用し、週末には田舎の空き家を別荘にリフォームして家族で庭を楽しむ生活スタイルなどを提案したい」と話している。
(北海道建設新聞2020年7月20日付3面より)