1リットル当たり129.9円
道内のガソリン価格が、お盆時期を前にジリジリと値上がりしている。27日現在のレギュラーガソリン道内平均価格は1㍑当たり129・9円で、前月に比べ2円余り高い。サウジアラビアを中心とした産油国が原油の公式販売価格を引き上げたことで、石油元売りの原油調達コストが上昇したため。お盆期間中は帰省や旅行でガソリン消費が増えるが、新型コロナウイルスの影響は大きく、販売業者からは利益重視で商戦を乗り切りたいといった声が多く聞こえる。
資源エネルギー庁の調べによると、27日現在のガソリン全道平均価格は129・9円で前週と変わらなかった。7月の値上がり幅は2・6円で、コロナ禍で急落した4月以前の130円台も目前となってきた。軽油は112・8円で0・1円の下落した。
札幌市内は、セルフ式の安値量販店を中心に110円台の価格が目立ったが、中旬から改定する動きが見られ、月末は120円前後が底値となっている。大勢は130円台を掲げる。旭川もおおむね同様の展開だ。
原因は石油元売り各社の卸価格が上昇しているため。指標となる原油先物価格は6月後半から反発し、足元では1バレル当たり43㌦前後で推移している。サウジアラビアやロシアなど産油20カ国で構成するOPECプラスが協調減産の枠を縮めるなどマイナス材料はあったが、世界的な株高や米国景況感指数の好転などが下支えした。
ガソリン価格の上昇は全国的な動きで、27日現在の平均価格は132・3円で11週連続の値上がりとなった。北海道は函館や帯広といった激戦区の価格競争で全国平均より一段安にある。
8月のお盆時期は、帰省や旅行で長距離運転の機会が増え、必然的にガソリンや軽油の需要が高まる。コロナ禍では例年通りの需要が期待できない懸念もあるが、「そういう厳しい時だからこそ、しっかり利益を確保したい」との声が販売業者から多く聞こえる。
先々は値上げの公算が大きい。サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコが、アジア向け原油価格の調整金を引き上げたため。石油元売り各社の原油調達コストに大きく影響し、メーカーによっては8月の卸価格が4―5円値上がりするといった通達も出ているという。
上川管内の石油販売業者は「調整金の影響もあって、お盆前後にもう一段値上がりするのではないだろうか」と話している。
(北海道建設新聞2020年7月31日付3面より)