フリーアドレス、テレワークなどに対応 オフィスへの提案も見込む
ノースディテール(本社・札幌)は、フリーアドレス用の社内座席管理システム「せきとりくん」を開発した。社員の居場所を画面上で共有してフリーアドレス導入時の社内コミュニケーションの円滑化に役立てている。今後は初期費用を抑えた座席管理システムとしてオフィスへの提案を見込む。
同社は2月の本社移転を機にフリーアドレスを導入した。対象はエンジニアら70人。作業に合わせたモニターの枚数や場所が選べる自由なワークスタイルを実現した。
社員全員に鍵付きロッカーを完備。退社時は机上に私物やメモを放置しなくなり、機密情報を守りやすくなった。作業場の清掃と消毒を個人の裁量に委ねないため定期的に一律の感染対策ができる。
一方、コロナ禍で5月からテレワークを開始。フレックス制で勤務時間が異なるため、必ず働く時間帯「コアタイム」でも出社有無の判断が難しくなった。相手を探す手間を省こうと、社員が業務の合間に独自システムを開発。1カ月余りで社内全体に広まった。
社員は出社時にタイムカードの打刻と合わせて居場所を登録。座席情報はパソコン、スマートフォン、タブレットのブラウザー上で確認できる。ビーコンなど特別な設備は不要で、初期費用を抑えた。
アマゾンのクラウドサービス「AWS」の「Amplify」を用いてリアルタイムで座席情報を自動更新する。画面の再読み込みは不要だ。導入済みの退勤システムに依存しない形で連動できる。
開発期間は2カ月から。金井正宣取締役は「フリーアドレスやテレワークでも働きやすいシステム作りの手伝いができれば」と話している。
(北海道建設新聞2020年7月30日付3面より)