室蘭開建が所管する室蘭港築地地区岸壁西マイナス9m改良、日高幌内川河道閉塞緊急対策の2事業が、全日本建設技術協会の2019年度全建賞に選ばれた。物理的、時間的制約が大きい中、優れた技術や施工の工夫によって事業を完遂した点が高い評価を得た。
全建賞は、同協会が実施する表彰で、建設技術の発展を目的に1953年に創設。19年度は303事業の応募の中から79事業が選定された。
室蘭港築地地区岸壁西マイナス9m改良は、各施設の老朽化解消のため、11年度に着工し、18年1月に完了した事業。

本道港湾で初施工となった室蘭港の控えアンカー鋼管矢板構造
現場では、ふ頭間の岸壁が近いため全面水域が狭く、岸壁背後に港湾貨物用の上屋があるなどの制約があったため、本道港湾では初となる控えアンカー鋼管矢板構造を採用。各施設の利用に影響することなく施工を完遂した点が評価された。
日高幌内川河道閉塞緊急対策は、18年9月に発生した北海道胆振東部地震に伴う河道閉そくで懸念される、大規模土砂災害を防ぐことを目的に実施した緊急工事。

緊迫した河道閉そくから迅速な施工で立ち直った日高幌内川上流部
融雪期の出水までに、おおよその施工を終える必要があり、24時間施工、マシンコントロール型建設機などによるICT施工、プレキャスト製品の採用といった工夫を凝らし、19年3月までの約半年間で完成させた。
(北海道建設新聞2020年8月4日付15面より)