林地残材を燃料化 栗山や千歳など6地区に中間土場

2020年08月08日 10時00分

 石狩と空知管内の森林組合などで構成する道央地区未利用バイオマス供給協議会は、林地残材の有効利用に向けて燃料用チップの供給網を本格的に整備する。栗山や千歳など6地区で中間土場を開設。集めた林地残材は燃料用チップに加工し、シンエネルギー開発(本社・群馬県沼田市)の事業会社が石狩湾新港地域で計画する出力1万㌔㍗級の木質バイオマス発電所で使われる計画だ。

 同協議会は2019年6月に設立。枝条(しじょう)と呼ばれる木の先端や根元を指すタンコロなど、森林伐採時の未利用材を木質バイオマスに変えて電気や熱に利用するため、石狩と空知の8森林組合が中心となって発足した。木材流通業者や重機メーカーなどが加わり、50者ほどで構成する。

 林地から出た残材を中間土場に集め、破砕機で燃料用チップに加工した後、トラックで木質バイオマス発電所へ供給する。

 中間土場は石狩と千歳、月形、栗山、芦別、深川の6カ所で開設する計画だ。シンエネルギー開発が出資する北海道木質バイオマス(本社・石狩)の協力を得てトラックスケールや倉庫、事務所などを設ける。事業費は造成や上下水道、外構などを合わせて6カ所で10億円強を見込んでいる。

 第1弾として栗山工業団地内の約1・8haを2月に取得した。10月に着工し、21年2月の開設を目指す。年間1万5000㌧の燃料用チップを供給する計画だ。

 受け入れ先となるシンエネルギー開発の事業会社・石狩地域バイオマス発電(本社・石狩)は、石狩湾新港地域で出力1万㌔㍗級の木質バイオマス発電所を建設する計画だ。事業費は80億円ほど。来春着工し、23年11月の商用運転を想定している。

 建設地は京セラコミュニケーションシステム(本社・京都)が石狩湾新港地域に新設するデータセンターの近く。再生可能エネルギーだけで運用するセンターのため、他の風力や太陽光の発電施設と同様、配電線を整備して供給体制を整える。石狩市が描く再生可能エネルギー100%の「RE100」に貢献したい考えだ。

 林業の活性化や地域貢献のほか、災害用電源としての防災面でも意義があるとみている。効率の良い集材方法など、事業を安定させるには検討課題があるが、20―30年をかけた長丁場の事業と捉え、地域と共存共栄したい意向だ。

 事業で中心的な役割を担ってきたシンエネルギー開発の森一晃さんは「これまで地域と誠実に向き合い、事業化に向けて進んできた。利益は薄いかもしれないが、長く続く事業。今後も信用と信頼を確保しながら地産地消の仕組み作りに貢献したい」と話している。

(北海道建設新聞2020年8月4日付3面より)


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