留萌港に風力発電機2基を新設 日立サステナブルエナジー

2020年08月07日 10時00分

21年10月にも着工 

 風力など再生可能エネルギー発電事業を手掛ける日立サステナブルエナジー(本社・茨城)は、留萌港三泊地区で風力発電機2基の新設を構想している。1基当たりの定格出力は4200㌔㍗、高さは147・3mに上る。ブレード枚数は3枚で回転直径が115・7m、ハブ高さが89・4m。2021年10月に造成・電気工事に入り、22年4月に基礎、同6月に据え付けに着工し、同7月から試運転。22年10月から営業運転を始める。総事業費は20億―25億円を見込む。

 同社は、留萌市が「第2期環境基本計画」で循環型社会の構築を目標とし、再生可能エネルギー導入を検討・推進していることに着目。風力発電が同市の政策に合致すると考え、地元活性化や地球温暖化対策に貢献することを目的に置く。
 建設予定地の留萌港三泊地区は、市が1987年から企業誘致を図るために埋め立てを開始し、竣工した造成地を随時編入している。
 風力発電機は、7月6日に市が新たな土地として登記した5・08haの敷地内に新設する構想。このうち4・4haを事業実施区域とし南端と北端に風力発電機を配置する。機材は海路を利用して輸送する計画。

 変電所を留萌港三泊地区南東のマサリベツ地区に設ける考えで、約5㌔の送電線設置が必要になると見込む。発電した電力は北電に売電する。

 27日まで留萌市庁舎で縦覧している「(仮)留萌港(三泊地区)風力発電事業 環境影響評価準備書」によると、稼働後の騒音レベルは現況の残留騒音からの増加はなく、指針値である残留騒音プラス5デシベルを下回ると想定されている。超低周波音は69―72と予測され、感じることができる最小値の100デシベルを下回るとみている。

 動物調査では、事業実施区域とその周辺で鳥類12目28科78種(重要種13種)を確認したが営巣・繁殖の様子はなかった。風力発電機の存在による生息環境や飛翔への影響は小さく、ブレード接触の可能性は低いと判断しているが、さらなる環境保全措置を講じ、夜間のライトアップはせず、航空障害灯は可能な限り常時点滅するとしている。

(北海道建設新聞2020年8月6日付1面より)


関連キーワード: エネルギー 留萌

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

e-kensinプラス入会のご案内
  • web企画
  • 北海道水替事業協同組合
  • 日本仮設

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

藻岩高敷地に新設校 27年春開校へ
2022年02月21日 (2,988)
おとなの養生訓 第245回 「乳糖不耐症」 原因を...
2023年01月11日 (1,378)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (1,326)
函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想
2021年01月13日 (1,249)
アルファコート、北見駅前にホテル新築 「JRイン」...
2024年04月16日 (861)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第258回「体温上昇と発熱」。病気による発熱と熱中症のうつ熱の見分けは困難。医師の判断を仰ぎましょう。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第34回「1日2470個のご飯粒」。食品ロスについて考えてみましょう。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第32回「読解力と認知特性」。特性に合った方法で伝えれば、コミュニケーション環境が飛躍的に向上するかもしれません。