21年10月にも着工
風力など再生可能エネルギー発電事業を手掛ける日立サステナブルエナジー(本社・茨城)は、留萌港三泊地区で風力発電機2基の新設を構想している。1基当たりの定格出力は4200㌔㍗、高さは147・3mに上る。ブレード枚数は3枚で回転直径が115・7m、ハブ高さが89・4m。2021年10月に造成・電気工事に入り、22年4月に基礎、同6月に据え付けに着工し、同7月から試運転。22年10月から営業運転を始める。総事業費は20億―25億円を見込む。
同社は、留萌市が「第2期環境基本計画」で循環型社会の構築を目標とし、再生可能エネルギー導入を検討・推進していることに着目。風力発電が同市の政策に合致すると考え、地元活性化や地球温暖化対策に貢献することを目的に置く。
建設予定地の留萌港三泊地区は、市が1987年から企業誘致を図るために埋め立てを開始し、竣工した造成地を随時編入している。
風力発電機は、7月6日に市が新たな土地として登記した5・08haの敷地内に新設する構想。このうち4・4haを事業実施区域とし南端と北端に風力発電機を配置する。機材は海路を利用して輸送する計画。
変電所を留萌港三泊地区南東のマサリベツ地区に設ける考えで、約5㌔の送電線設置が必要になると見込む。発電した電力は北電に売電する。
27日まで留萌市庁舎で縦覧している「(仮)留萌港(三泊地区)風力発電事業 環境影響評価準備書」によると、稼働後の騒音レベルは現況の残留騒音からの増加はなく、指針値である残留騒音プラス5デシベルを下回ると想定されている。超低周波音は69―72と予測され、感じることができる最小値の100デシベルを下回るとみている。
動物調査では、事業実施区域とその周辺で鳥類12目28科78種(重要種13種)を確認したが営巣・繁殖の様子はなかった。風力発電機の存在による生息環境や飛翔への影響は小さく、ブレード接触の可能性は低いと判断しているが、さらなる環境保全措置を講じ、夜間のライトアップはせず、航空障害灯は可能な限り常時点滅するとしている。
(北海道建設新聞2020年8月6日付1面より)