高性能省エネ住宅を低価格で 棟晶が開発

2020年08月19日 15時00分

太陽光発電と地中熱ヒートポンプで年間光熱費抑制 次世代型の戸建て商品

 棟晶(本社・札幌)は、地中熱ヒートポンプの冷暖房システムを以前より安価に導入できる次世代型の戸建て商品を開発した。太陽光発電と地中熱ヒートポンプで生活に使う熱と電気を賄う。年間光熱費を大幅に抑えられ、耐震等級3を標準仕様とするため防災力が高い。室内には無垢(むく)材や調湿塗料を随所に使って心地よさを追求。子育て世帯を中心に手の届く高性能省エネ住宅として訴求する考えだ。

空気の質にこだわった新琴似36モデル

 札幌市北区にモデル住宅「新琴似36モデル」を建てた。規模は木造、2階、延べ97m²。屋根には8㌔㍗の太陽光パネルを設置し、売電したり自家消費に使える。

 地中熱ヒートポンプの冷暖房システムを採用するのが特長。サンポットと北大大学院工学研究院環境システム工学研究室と工法などを共同研究し、従来よりも低価格で導入できるようにした。地中にある温度17度ほどの熱エネルギーを生かし、夏は冷熱、冬は温熱として利用する。

 新木造住宅技術研究協議会で代表理事を務める鎌田紀彦室蘭工大特任教授の助言を受け、高断熱・高気密や耐震性能を追求した。窓周りは熱貫流率0・79を誇るLIXILのエルスターX、24時間換気システムはスウェーデン製を採用し、最適な空気の流れを室内に作る。

 室内では木のぬくもりが随所に感じられる。床は北海道で多く自生するセンノキ(ハリギリ)による無垢材。壁はエスケー化研(本社・大阪府茨木市)の調湿塗料・ベルアートINを用い、VOC(揮発性有機化合物)を強力に吸着・固定化することで、子育て世代でも安心して住めるよう配慮した。

 狭小住宅ながら十分な居室スペースを確保するよう、1階と2階の間にエアコン装置を組み込んだ。機器がむき出しになっていないため圧迫感がなく、1階は天井、2階は床部分から冷気や暖気が届くため、涼しさや暖かさが感じやすい。

 同社の試験結果によると、建物のUA値は0・265、C値は0・3と世界基準に届く。概算の光熱費は年間21万8000円ほどで、太陽光発電による売電収入と差し引くと8万円ほどに収まる。大型テレビを楽しんだり、気兼ねなく洗濯したりと、生活に制限を掛けることなく、月額の光熱費が8000円弱で済むのは20代や30代の若年層にありがたい。建物価格は2480万円ほどを想定する。

商品開発に携わった斉藤常務

 商品開発に携わった斉藤克也常務は、2012年からスイスやオーストリアで地中熱を学び、海外の先進事例を日本で導入できないか研究してきた。北海道電力や北大など6者で新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成を得てZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)を研究。NEDOから主任研究員の指名を受け、自社社屋のZEBリノベーションを手掛けている。

 新琴似36モデルは低価格ながら高性能の省エネ性を備え、「何より居心地のよい〝空気の質〟にこだわった。最近は家で過ごす時間が長くなっていて、こうした快適性能の家が一層注目されれば」と話している。

(北海道建設新聞2020年8月18日付3面より)


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