本年度に設計着手
稚内市は20日、稚内総合文化センターで2020年度第1回稚内市庁舎建設検討委員会を開いた。会合では庁舎建設基本構想案が示され、中央地区にある現庁舎周辺と中央商店街周辺を建設候補地とし、両地区の利点や課題を比較したほか、想定整備スケジュールとして20年度内の基本・実施設計着手、23年度の着工を盛り込んだ。意見交換では、早期の整備を求める声や現庁舎周辺での整備が妥当とする意見が大半を占めた。
基本構想案を見ると、現庁舎が抱える課題として、耐震強度の不足や老朽化、災害時対応不足を挙げ、更新手法を考慮した結果、コストなどの比較により改築(建て替え)が妥当だとし、中央地区で建て替える。
新庁舎に求める機能としては、執務機能のほか、中央地区のキタカラ(JR稚内駅)や金融機関、公共施設との連携、公共・公益機能と対応する緊急時対応機能の強化、防災拠点機能などを盛り込む。規模については、現庁舎と同規模の延べ7000m²程度を見込む。
建設候補地である現庁舎周辺と中央商店街周辺を比較。現庁舎周辺は稚内総合文化センターや市立稚内病院との連携による公共・公益機能拠点形成ができるほか、事業費や事業スケジュールの調整が比較的容易であるとした一方で、キタカラと連携したにぎわいを波及させる施策の展開が必要となるとした。
中央商店街周辺は、キタカラとの隣接でJRやバスの利便性が高まるとした一方で、再開発事業となる可能性が高く、事業費の調整が困難で、事業スケジュールが長引く恐れがあるとした。
想定整備スケジュールとしては、基本構想・計画を20年度内に策定する。公共施設等適正管理推進事業債の活用を目指し、同年度内に基本・実施設計にも着手。23年度から2カ年で庁舎を建設、25年度から現庁舎を解体、26年度に外構を整備し完了する運び。
建設候補地に関する意見交換では頻発する災害を考慮し、早期の建設を求める意見や新型コロナウイルス感染症を通じ、病院や災害対策本部との連携のしやすさが重要とする意見があった。さらに、商店街周辺とした際の整備スケジュールの遅れを懸念する声があった。9月4日に予定する2回目の会合で建設地の方向性を示し、市長に中間答申する。
(北海道建設新聞2020年8月21日付4面より)