道新幹線札幌延伸工事の本格化など影響
建設資材対策北海道地方連絡会がまとめた2020年度の主要資材の需要見通しによると、アスファルト合材や生コンクリートの需要は9月から10月にかけてピークに達する。前年度の需給見込みに比べるとアスファルト合材が47.5%増の118万8641㌧、生コンクリートが117万6030m³など全体的に需要が増加。背景には防災・減災対策で増加した公共予算や、北海道新幹線札幌延伸工事の本格化などがあるもようだ。
同連絡会は北海道開発局や道、札幌市、東日本高速道路、鉄道建設・運輸施設整備支援機構などの発注機関と資材・骨材関係団体、建設関係団体で構成。例年5月ごろに会合を開いて各発注機関の資材需要見通しを共有しているが、本年度は新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえて、資料共有をもって代替の開催とした。
需要量は、主要発注機関が取りまとめた予定工事量を基に地域別、月別の見通しを集計。札幌市以外の市町村、民間工事の需要は含まない。
9月以降の需要量はアスファルト合材が70万3777㌧、生コンが69万1185m³、砕石等が148万4263m³、鉄筋が2万607㌧、鋼矢板が2万429㌧という見通し。アスファルト合材は年間通して需要があるものの10月にピークを迎える。
生コンと砕石等、鉄筋は9月が需要ピークでその後は減少。鋼矢板は9―11月まで5000㌧程度の需要が継続する。
地域別では道南、道東を中心に需要が増加し、「防災・減災、国土強靱(きょうじん)化のための緊急対策」の最終年度で公共事業量が増加した影響がみられる。渡島、後志での増加は鉄道・運輸機構の道新幹線札幌延伸が本格化したことによるものと推察される。
道内の4―8月の資材価格、需給動向は、やや逼迫(ひっぱく)することはあっても、極端な資材不足と価格上昇などはなく、おおむね安定して推移している。
(北海道建設新聞2020年9月2日付1面より)
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