光触媒×珪藻土で抗菌・消臭リフォーム展開 日本信達

2020年09月10日 15時00分

 外国人向け不動産販売の日本信達(本社・小樽)は、抗菌・消臭効果がある光触媒と珪藻(けいそう)土を組み合わせた左官事業「抗菌リフォーム」を展開中だ。日本の伝統と高い機能性を壁に求める海外富裕層の要望がきっかけで2018年に始めた。コロナ禍で2月からは住宅のほか、不特定多数の出入りが多いホテルや飲食店で導入が増えている。

素材の機能性を紹介する石井社長

 ユーディー(本社・神奈川県川崎市)製の内装材「フラッシュクリーン」を採用。骨や歯の組成に使われるカルシウムハイドロキシアパタイト由来の光触媒「チタンアパタイト」と珪藻土を混ぜ合わせた。自然素材でできていてシックハウス症候群の心配がない。

 吸水機能が高い珪藻土が空気中の湿気と一緒に有害物質を効率的に吸着。光触媒が光エネルギーでウイルス・細菌・花粉などを水と二酸化炭素に分解するため衛生的だ。飲料でぬれても垂れにくく掃除しやすい。壁のアルコール消毒など従業員の感染症対策への負担を軽減できる。

 消臭効果がありペット臭のある住宅や喫煙席をなくした後にたばこ臭が残る飲食店の改装に向いている。商業施設の利用者に効果を紹介するため施工済みポスターを用意している。

 今後はKUWAHARA(本社・中頓別町)が開発中の中頓別町産貝化石を砕いて粉にした壁材など新たな素材を取り入れる姿勢だ。左官職人の高齢化と減少が深刻で人手不足が続く中、事業拡大のため若手の育成を急いでいる。

壁材に採用予定の中頓別町産貝化石

 対応エリアは全道とフランチャイズ(FC)で展開の千葉県。見積もりは3営業日。施工期間は8畳の場合、2日程度。各種補助金申請のサポート付き。炭を混ぜた黒い壁や模様を入れた壁の施工が可能だ。

 石井秀幸社長は「抗菌リフォーム事業を通じて高機能な塗り壁の良さを広めたい」と話している。

(北海道建設新聞2020年9月9日付3面より)


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