清水町は、熊牛11にある十勝開墾株式会社農場畜舎の説明板をリニューアルした。町の文化史跡で、現在も渋谷農場の牛舎として使われている施設。新しい説明板は高さ1・8m、建設当時の写真を載せて内容を一新した。町史に基づく同社の沿革も記している。
十勝開墾株式会社は、近代日本経済の父といわれる渋沢栄一らが熊牛地区などの開墾を目的に設立した合資会社が前身。民間資本により熊牛地区と人舞地区の原野4270haを開墾し、町の発展に寄与した。農場畜舎は1919年に建てられた。
旧説明板のタイトルは十勝開墾合資会社だったが、その後の調査で畜舎が建てられたのは株式会社への移行後だったことが分かりタイトルを変更。日本甜菜製糖ビート資料館などの協力を得て、建設当時の写真も載せた。
説明文では設計を札幌農学校に依頼し、同学校の第2農場がモデルとされ、当時としては理想的な畜舎だったことなどを紹介している。
町教育委員会は「まずは町民にまちの歴史、成り立ちを知ってもらい、郷土愛を深めてほしい」と話している。(帯広)
(北海道建設新聞2020年9月9日付7面より)
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