水中のDNAから生息把握 釧路湿原のキタサンショウウオ

2020年09月20日 10時00分

神戸大やパシフィックコンサルタンツなどの共同研究で

 神戸大はこのほど、釧路湿原の水から絶滅が危惧されているキタサンショウウオのDNAを検出したと発表した。パシフィックコンサルタンツ(本社・東京)も参加する共同研究グループの成果。個体が確認できなくても生息状況を把握できるため、今後は他種を含めた調査や保全活動への応用が期待される。

卵のう周辺でくんだ水からDNAが検出された

 河川や湖沼などの水に溶けている環境DNAから生物の有無などを確認できないか検証し、調査自体の環境負荷低減や簡易化を図ることが目的。

 環境DNA研究の国内第一人者である同大大学院人間発達環境学研究科の源利文准教授が書いた論文を読んだパシフィックコンサルタンツ側が同大に声を掛け、両者の協力関係が始まった。

 釧路湿原のキタサンショウウオをテーマにした今回の研究には、北海道支社社会イノベーション事業部環境・エネルギー室の池田幸資室長と三塚多佳志主任技術者が参加。同社が企画を持ち込み、調査計画作り、フィールドワーク、データ解析などに携わった。

17年の現地調査に参加した三塚さんと池田さん(手前から)

 2017年度はキタサンショウウオの卵のう、幼生、生体がいずれも水中にDNAを放出していることを水槽実験で確認。並行して釧路湿原では採水と卵のう調査に取り組み、卵のうが採水地点の周囲7―10m以内にあれば環境DNAが検出されることを突き止めた。

 18年度以降は各種データの解析や論文執筆に費やし、その成果がことし8月に国際科学誌「PeerJ」に掲載された。

 生息地の湿原は地盤が悪く調査に入りづらいが、採水という簡易な手法で生息状況や繁殖状況が分かるため調査へのハードルが下がり、これまでは確認されてこなかった地域でも分布が判明する可能性が拡大。保全活動の促進に役立つと考えられている。(釧路)

(北海道建設新聞2020年9月15日付7面より)


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