協議会を10月に設置
江別市は、札幌開建が進める石狩川・千歳川堤防整備に伴い、条丁目地区の千歳川沿いに位置する市指定文化財・旧岡田倉庫[MAP↗]を近接地へ移築する考えだ。これに合わせ、同地区の観光資源発掘やまちづくりを含めて協議する、かわまちづくり協議会を10月に設置。2021年度中に倉庫の利活用方針などを固め、22、23年度に現倉庫解体、復元工事に取り組む予定となっている。
江別市2条1丁目5の2にある旧岡田倉庫は1897年に建設された。江別における舟運の時代を反映する貴重な木骨石造、平屋、延べ232m²の商業倉庫。鉄道と舟運の結節点として交通の要衝であった往時の市街地(江別港)の歴史を物語る数少ない重要建造物だ。
1998年に倉庫の寄贈を受けた市は04―05年度に改修し、アートスペース外輪船として地域劇団の公演、音楽会などの文化活動に活用されてきた。
しかし、札幌開建が国道12号江別大橋から上流側のJR橋までの千歳川沿い約500m区間の堤防拡幅を計画。旧岡田倉庫を含む敷地約1万m²を用地買収し、最大30m幅の土堤を整備することになっている。
倉庫がある条丁目地区は、JR江別駅が近く、周辺整備とも関連することから、協議会で移設地を選定するとともに、エリア全体の観光資源発掘やまちづくりの方向性を議論したい考え。
21年度に移築の実施設計を進め、22年度に解体し、23年度に新たな場所で復元する見通しだ。
(北海道建設新聞2020年9月18日付12面より)