旭川空港の上下一体運営を開始 北海道エアポート

2020年10月06日 15時00分

特長生かし利用者回復へ

 北海道エアポート(本社・千歳、蒲生猛社長、HAP)は、1日から旭川空港の上下一体運営を開始した。ビルの経営に滑走路の管理や除雪などが加わる。新型コロナウイルス感染症拡大で国際線は現在も就航ゼロ、国内線も9割以上落ち込む月があったが、大雪山系を核とした豊かな自然、道内の中央に位置する利点を生かし利用者の回復を目指す。

路線拡大や航空需要増が期待されている旭川空港

 東神楽町東2線16の98にある旭川空港は1966年に開港した。今までは旭川市が管理し、直近では2017―19年度に約49億円を充て国際線専用ビルの増築やフードコート「そらいち」を整備した。旭山動物園や層雲峡、富良野・美瑛といった観光地は国内外に人気で、18年度の旅客数は約113万人だった。

 HAPは、こうした背景を踏まえ24年度には旅客数145万人、49年度には238万人という目標を掲げ、約218億円を投資し、周辺が山岳地帯という環境からアクティビティセンターやアウトドア店舗の整備などを計画。

 ただ、感染症拡大の影響で海外観光客から徐々に遠のき、5月は前年比94.8%減少。観光振興策の効果もあり、8月には前年比72.5%減まで乗降客を戻した。

 上下一体の空港運営は新千歳に続き2カ所目。北野俊勝旭川空港事業所長は「旭川空港は道内の真ん中に位置するため、札幌や稚内、網走、釧路など各地に行きやすい」と立地の良さを挙げる。

 一方で、「レンタカーも一つの手段だが、バスに乗って道内を移動できればより便利」と好条件を生かす2次交通の必要性を指摘。また、就航率の高さも特長の一つ。今冬から指揮する除雪について「今までのノウハウを引き継ぎ、就航率を維持したい」と話す。

 利用者増加に向け「新千歳空港より美瑛・富良野に近いことが道外ではまだまだ知られていない。国内から観光の基盤を整える必要があるため、空港の良さをPRしたい」と意気込む。

 本格的な運営開始に当たり、東神楽町の山本進町長は「航空業界は厳しい状況だが、空港は地域の雇用や経済に大きなインパクトを持つ。アウトドアの拠点となり、路線拡大や航空需要の増加につながってほしい」と、期待を寄せている。

(北海道建設新聞2020年10月5日付8面より)

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