本道から林産試実験棟など10件 20年度グッドデザイン賞

2020年10月10日 10時00分

林産試験場の実験棟「北海道CLTパビリオン」

 日本デザイン振興会は、2020年度グッドデザイン賞の結果を発表した。応募総数4769件中、974社の1395件を選出。道内からは大和ハウス工業などによる北4東6周辺地区第一種市街地再開発事業ザ・タワーズフロンティア札幌、道総研林産試験場などによる低層木造建築、きのとやと竹中工務店の店舗「KINOTOYA FARM」など10件が選ばれた。

 大賞などの候補となるベスト100には、ナカ工業(本社・東京)の床埋設式降下型避難器具「UDエスケープ」や、中日本ハイウェイ・メンテナンス名古屋(同・名古屋)の大型移動式防護車両「ハイウェイ・トランスフォーマー」などを選んだ。MUJI HOUSE(同・東京)の平屋戸建て住宅「陽の家」など建築物も多く入った。

 道内関連のうち、大和ハウス工業やフジタ、北海道ガスなど6者による札幌市内の北4東6周辺地区再開発事業は、分散型エネルギー供給の試みとして秀逸なプロジェクトだと評価された。

 旭川市西神楽に建てた林産試と遠藤建築アトリエ(本社・札幌)の低層木造建築「北海道CLTパビリオン」は、CLTの幅広い普及促進を目的に、地域材のカラマツとトドマツを利用した建築の多角的な調査・研究のための実験棟。CLTは新たな建築形式を生み出す可能性を持ち、その積極的な探究の一つとして評価された。遠藤建築アトリエは自社の新社屋でも受賞した。

 KDDIエボルバ(本社・東京)と竹中工務店のコールセンター「ポラリス・サッポロ」も入った。白石区東札幌に構え、コンタクトセンターならではの緊張と緩和の働き方に対し、中庭型の空間構成を用いることで、閉鎖性と開放性が共存する新しい形のワークプレイス。働く人の幸福を求めたクライアント企業と、それを応用可能な普遍的空間形式として提示した設計者の姿勢がそれぞれ支持された。

 商業施設は、白老町社台に構える北海道種鶏農場(本社・白老)のマザーズプラスが選ばれた。パイロットファームの中核施設として鶏を放牧する。サスティナブル社会にふさわしい風景をつくる優良プロジェクトとして評価された。竹中工務店によるデザインだ。

 竹中工務店は、きのとやの清田区店舗でも受賞した。畜舎をモチーフに、生産地とのつながりを感じさせる形としつらえなどがポイント。派手ではないが、都市と農風景を心理的に優しく接続する意義深い仕事として評価された。

 このほか、FPコーポレーション(本社・札幌)の「FPウレタン断熱パネル」と千幸社(同)の棺「DURCH V2シリーズ」、上川町のフリーペーパー「カミカワーク」が受賞。高野ランドスケーププランニング(同)は、地域密着型商業施設「ブランチ仙台」に参画し、受賞した。

(北海道建設新聞2020年10月6日付3面より)


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