鉄筋の印付けを省力化 ビ・アールのレベルマーキング装置

2020年10月09日 15時00分

作業者の腰痛問題解決へ 実用化目指す

ビ・アールの佐藤社長

 建物の基礎工事一式を担うビ・アール(本社・江別)は、生コン打設時に高さの目安となる鉄筋への印付け作業を省力化できる「工事現場用レベルマーキング装置」の実用化を目指している。従来式の作業スタイルのように、かがんだ姿勢が伴わないため、腰痛の危険を回避できる。従事者の高齢化が業界課題にある中、一層の品質向上と低コスト化を研究し、土木と建築のさまざまな現場で広く使ってもらいたい考えだ。

 アルミ製のパイプに握り部分とマーキング装置を取り付け、ワイヤを介して鉄筋にレベル出しの印を付ける。これまでの方法と同様、オートレベルの受信機をパイプに取り付けて作業するが、立ったままマーキングできることから安全かつ効率よく作業できる。腰をかがめ、パイプを上下させたり鉄筋に印を付ける必要はない。

 住宅などの基礎工事は生コン打設前、高さの目安を表すため鉄筋に印を付ける。印の多くは地面から20cmほどのところに付け、高さ出しの棒を上下させながら位置決めし、腰をかがめてマークを付ける。

従来式の印付けは腰への負担が大きい

 作業中は、腰をかがめた姿勢を数秒間保たなければならず、腰痛の危険やストレスと隣り合わせにある。住宅1現場で70カ所ほどをマークし、腰を曲げたり伸ばしたりする動作を何度も繰り返すため、体への負担が大きい。

 「基礎工事に携わって30年余りだが、昔からレベル出し作業の腰痛問題は何とかならないかと考えていた」と佐藤欽一社長は話す。長い構想期間を経て、昨年10月に特許を取得。装置メーカーなどと試作品を製作し、早期の実用化を目指している。

 販売に当たっては、マイナス20度からプラス30度の外気温に耐えられる耐候性などが鍵を握る。現場で使いやすいよう軽量化や低コスト化を図ることもテーマだ。

 佐藤社長は「基礎工事に関わる人が使いやすい装置を開発し、業界に恩返しできれば」と話している。

(北海道建設新聞2020年10月8日付3面より)


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