全道外国人技能実習生受入団体協議会は、ベトナム人技能実習生の入国や帰国に関する緊急アンケートを実施した。9月25日時点で新型コロナウイルス感染拡大の影響により387人が入国できずにいることが分かった。入国後の待機にかかる経費負担が課題となっている。道はこの状況を踏まえ、1泊1万円を上限に宿泊費を支援する。
調査は9月17―25日に、同協議会加入の管理団体のうちベトナム人技能実習生を管理する13団体を対象に実施。8団体から回答を得た。
ベトナムから1号技能実習生として日本への入国を予定しているのは387人で、入国査証発給済みは25人、申請済みは42人、未申請は320人。このうち、既に入国が決まっている人はゼロ。入国時期について、できるだけ速やかな入国を希望しているのが117人と最も多く、年内が90人、来春までが100人となっており、早期の入国支援が望まれている。
また、3号技能実習生として再入国を待機しているのは30人、年内の帰国を強く希望しているのは118人に上る。
現在、外国人技能実習生が海外から入国した際には、14日間の自宅待機や公共交通機関の不使用などが求められている。このため、空港周辺のホテルなどでの待機を余儀なくされ、その経費が事業者の負担となる。
同協議会の担当者は「公共交通機関を利用しなければ移動できない本道は、他都府県に比べて不利な状況。北海道への貸し切り便の運航など支援が必要」と話し、国や道へ支援を求めた。
道は受け入れ事業者の負担を軽減するため、緊急的な支援を実施する。14日間の待機にかかる宿泊費用について1人1泊1万円を上限に補助する。11月中にも募集を開始する考え。
(北海道建設新聞2020年10月10日付1面より)