低価格の「車両消毒装置」製造・販売 北海バネ

2020年10月14日 15時00分

家畜防疫商品をパッケージ化 利便性向上へ

 北海バネ(本社・小樽)は、家畜伝染病の防疫対策で低価格の「車両消毒装置」を製造・販売する。消毒液を上下左右24個のノズルで車両に噴霧し、牛や豚、鶏に有害なウイルスが外部から持ち込まれないよう水際で防御する。ウイルスを媒介する野生イノシシの侵入を防ぐため、防護柵の設置を支援する動きが全国で広がる中、スチール柵や防犯カメラを取り扱うなど防疫商品をパッケージ化することで、畜産業者の利便性を高める。

安価で設置が大がかりにならない車両消毒装置

 車両消毒装置は、単管パイプに噴霧ノズルを取り付け、動力噴霧器によって2系統から圧力をかけ、農場に入る車両を消毒する。噴霧ノズルは上部4個、左右各7個、下部6個の合計24個を用意。オプションでは、寒冷地向けに消毒液が凍らないよう集中水抜き制御システムを用意する。

 ゲートは高さ、幅とも4m。動力噴霧器は200電源で動く。ノズルの噴霧能力は1分間に最大28㍑となっている。価格は工事費を含め170万円(税抜き)から。基本は同社社員による責任施工で設置する。

 もともとは、2010年に宮崎県南部などで広まった口蹄疫(こうていえき)をきっかけに開発した。ビート収穫に使うチェーンロードなど農業用スプリングを製造していて、農家から「安価で簡単に設置できる消毒装置を作れないか」と要望を受けて製品化。当時は20件ほどに納入した。

 その後、18年に岐阜県の養豚場で豚コレラが確認され、再注目されるようになった。最近はアジアを中心にアフリカ豚コレラという疫病も発生していて、意識の高い農家を中心に引き合いは強いという。

 農林水産省では、豚コレラやアフリカ豚コレラを媒介する野生イノシシ対策として、農場周囲への囲い柵設置などを支援。こうした背景から北海バネも車両消毒装置に加え、柵や防犯カメラを取り扱い、農家の防疫対策をパッケージ化して支援サービスを強化する方針だ。

 柵は日鉄建材グループの製品で、高い動物侵入効果を発揮。防犯カメラはさまざまなタイプを用意し、施設の状況をスマートフォンからリアルタイムで確認したり、遠隔から録画操作できたりする仕様などを用意する。

 伊藤和正常務は「車両消毒装置は長く扱ってきたこともあって、農場それぞれのニーズに細かく応えられるのが強み。全国の養豚農場に口コミで広がれば」と話す。

(北海道建設新聞2020年10月13日付3面より)


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