札幌建管が現行計画を変更
札幌建管は、石狩川中流岩見沢圏域河川整備計画で、洪水被害を防ぐために策定した岩見沢市内を流れる利根別川広域河川改修ポントネ川工区の現行計画を変更し、旧岩見沢競馬場厩舎(きゅうしゃ)跡地の約8haなどを再利用して遊水地3カ所を整備する。早ければ2021年度に用地買収に向けた調査に着手し、22年度の用地買収後に着工する考えだ。この結果、利根別川とポントネ川を合わせた改修費用が7億円縮減できると試算している。
14日に岩見沢市北村支所で開いた石狩川中流岩見沢圏域河川整備計画地域懇談会で札幌建管が変更案を示した。
同計画は09年3月に策定。12年9月の大雨では利根別川、南利根別川などの周辺が浸水被害を受けている。被害の防止と軽減、治水安全度向上を目的に、利根別川は旧幾春別川との合流点から上流9・8㌔、その支流の南利根別川は1・4㌔、東利根別川は3㌔、ポントネ川は2・5㌔それぞれ合流点から上流を優先整備区間として17年7月に計画変更した。
このうち、ポントネ川は、国道12号を横断する現在のボックスカルバート橋では豪雨時の最大計画流量の毎秒75m³を確保できず、河道拡幅のための架け換えが必要となった。その上、道路迂回路の設置が困難で、さらに北海幹線用水路もカルバート内で交差していて、膨大な事業費になることが判明した。
代替策として道は、06年に廃止した日の出南の旧岩見沢競馬場跡地を遊水地として活用することを岩見沢市に提案し、市も洪水対策に有効と判断して厩舎があった約8haの売却方針を固めた。
ポントネ川の変更案では、深さ約2mの遊水地を厩舎跡地に2カ所、国道12号のすぐ上流に1カ所を整備することで、ボックスカルバート橋の現況流下能力毎秒48・9m³を下回る45m³に抑えられるとの試算が成り立った。
さらに、ポントネ川から利根別川に流れ込む流量低下により利根別川の旧幾春別川合流点からポントネ川合流点までの4・8㌔の整備が不要となり、計7億円の縮減効果が見込めるとした。
この結果、ポントネ川の計画区間は利根別川合流点から上流3・2㌔。利根別川はポントネ川合流点から上流5㌔に変更される。
遊水地の規模は、計画変更の21年度内に実施する用地調査を実施して決める方針。用地買収は22年度を予定し、その後に着工する考えだ。
(北海道建設新聞2020年10月15日付1面より)