札幌市資料館が重要文化財指定へ

2020年10月20日 09時00分

耐震・保全改修計画の再検討も

高い建築的価値を持つ札幌市資料館

 札幌市中央区にある札幌市資料館(旧札幌控訴院)[MAP↗]が、重要文化財に指定される見通しとなった。16日に開いた国の文化審議会で、同施設を重要文化財に指定することを審議。萩生田光一文部科学相へ答申後、官報告示を経て、登録される見込みだ。

 中央区大通西13丁目にある札幌市資料館は、札幌控訴院として1926年に完成。規模は、れんが、軟石の組積造とRC造の混構造、2階、延べ1637m²となっている。

 札幌の近代を代表する建材・札幌軟石を使った建物として現存する最大級の施設。意匠と構造の両面で建築が近代化する時代の変遷を示しており、高い価値を有する。

 正面の外観は凹凸や装飾が少なく全体的に抑制されたデザイン。外壁面に配置した縦長の両開き窓や屋根窓の配列は古典的な雰囲気を演出する。

 2007年に札幌景観資産、18年に札幌市指定有形文化財に指定。重要文化財に指定されると、札幌市所有建造物では1970年の時計台(旧札幌農学校演武場)以来50年ぶり。また、市内にある建造物では13年の北海道開拓の村内にある旧開拓使工業局庁舎以来となる。

 市は、札幌資料館の耐震・保全改修を計画していたが、重要文化財指定後にスケジュールや整備内容などを含め再度検討を進めることを想定している。

(北海道建設新聞2020年10月19日付10面より)


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