ファイターズのボールパーク建設などが要因 道内は186万m³で3%減
2020年度上半期(4―9月)の道内生コン出荷量は官民合わせて186万2150m³で、前年度同期に比べ3%落ちた。低調だった4―6月が影響し、最大市場の札幌は6.3%減の50万3232m³にとどまった。千歳は北海道日本ハムファイターズのボールパーク(BP)建設などが要因で、69.4%の大幅増となった。苫小牧や小樽も前年度を上回った。
北海道生コンクリート工業組合のまとめ。全道出荷量のうち官需は75万8526m³で、7.3%増、民需は110万3624m³で9%減となった。
地域別では、南北海道(木古内や江差)と小樽、西胆振(伊達や洞爺湖)、苫小牧、日高、千歳、空知、北根室、北見、西十勝(清水や鹿追)、旭川、上川北部、南宗谷(枝幸や浜頓別)の13カ所が前年度同期を上回った。
旭川は、民需が10.7%増の5万7365m³と高水準だった。トミイチ(本社・旭川)の冷凍食品用保管庫や、日本ハム北海道ファクトリー(同・旭川)の本社工場移転などが要因となった。今後もツルハホールディングス(同・札幌)の複合施設やフージャースコーポレーション(同・東京)のヘルスケアコンドミニアムなどを抱える。官需は旭川市の総合庁舎建て替え新築などに期待が集まる。
小樽は北海道新幹線札幌延伸に関係したトンネル工事で、官需が53.6%増の3万8900m³と好調だった。千歳も北海道日本ハムファイターズのボールパーク建設が幸いし、民需は77.6%増の8万152m³と高水準を付けた。
札幌は、官需が6万6674m³で11.8%減、民需は43万6558m³で5.4%減となった。新型コロナウイルスの影響もあってか、4―6月の低水準が響いた。8月は前年度並み、9月は前年度よりも多かったものの、期初のスロースタートを挽回するまでには至らなかった。
大型物件はコストコ石狩倉庫店や新さっぽろ駅周辺地区再開発、JR貨物などのマルチテナント型物流施設、札幌駅北口8・1地区再開発などを抱える。ただ「現状、契約残が昨年より10%ほど少ないのは気掛かり」(札幌生コンクリート協同組合)と危機感を持っている。
苫小牧は、官需が7万3874m³で17.8%増、民需は7万3066m³で28.9%増と好調だった。双日と日本製紙によるバイオマス発電所やダイナックス(本社・千歳)の第6工場新築、クボタの大型倉庫などが要因となった。
今後の動向について、道生コン工組では「札幌の低調な民需は気掛かりだが、道内全体では19年度の347万m³近くまで積み上がりそう」とみている。
(北海道建設新聞2020年10月20日付3面より)
北海道建設新聞2020年10月20日付3面には、29地域ごとの上半期生コン出荷量、官公需、民需といった内訳、前年度同期比などをまとめた表を掲載しています。本紙の購読については、こちらのページをご覧下さい。