深掘り

 地域経済の成長には、新たな技術シーズを生み出すだけではなく、その技術を発展させたビジネスの創出が欠かせません。〝勝ち〟にこだわる経営者らの発想やアイデアを紹介します。

深掘り リージョンズ 高岡幸生社長

2020年10月23日 15時00分

高岡幸生社長

「成長できる環境」が鍵

 リージョンズ(本社・札幌)は、即戦力の働き手を求める企業に転職希望者を紹介する人材サービス会社だ。建設分野へのあっせんにも昨年から力を入れ、実績を上げている。慢性的な人手不足の建設業界で、採用に成功しやすい企業にはどんな特徴があるのか。高岡幸生社長(53)に聞いた。

 ―建設業への人材紹介の実績は。

 これまでに道内で求人をお預かりしたのは、建設会社のほか設計や設備、ハウスメーカーなど関連業種を含めて157社だ。このうち48社、人数で言えば63人が採用に至った。約2割がUターン、Iターンの転職者だ。当社が紹介するのは大卒や高専卒がメインで、職種は施工管理や設計の技術者、経理や人事といった事務系になる。

 かつて建設は、求人を頂いてもなかなか転職希望人材が見つからなかった。だが昨年、当社の組織改革の中で担当者を決めて動きだしたところ、職種次第で可能性があることが分かり、成約件数も伸びてきた。

 ―料金体系は。

 完全成功報酬型で、紹介した人が入社するまで無料だ。入社時に手数料として、ボーナスなどを含む年収の35%相当を企業側から頂く。最低額は採用1人当たり税抜きで100万円だ。

 ―無料で求人する方法もある中、高額では。

 例えばハローワークは無料だが、膨大な定型データの一つになるため、給与などの条件で目立たない限り応募が来ない。内定辞退も多いようだ。この点、当社は転職候補者と事前にしっかり面談し、適性判断をした上で求人企業に紹介するためミスマッチが起こりにくく、辞退率も低い。

 ―人材紹介は全国大手とも競合する。

 大手は効率的に成約件数を増やすため、企業を回る営業と、人材に接するキャリアコンサルタントが別々で、双方の単純な条件照合から引き合わせる。だが当社は1人のコンサルタントが企業と人材の両方に接するため、この人の考え方はあの社長と相性がいい、などデータ化しにくい要素からもマッチングする。紹介した人の離職率は大手より低い。採用実績がある企業の約8割からリピートしてもらっている。

 ―建設業への紹介実績から、人を採れる業者に共通点は感じられるか。

 転職候補者に「この会社に入れば新しい経験ができ、成長できそうだ」と思わせる要素がある。

 ある設計会社は、社長が「会社は社員の成長の場」と公言していて、実際に社内の雰囲気がよく、やはり採用も順調だ。また、明確な成長戦略を打ち出している建設会社も人気がある。

 具体論を言えば、採用にはホームページの出来も重要だ。誰もがインターネットで仕事を探す今、気になる求人があればその社のサイトを読みに行くのが普通の流れだ。このとき経営者の考え方や会社の魅力がうまく書かれていると、求職者からの印象はかなり良くなる。

 ―コロナ禍で一部業界が人余りになっても、建設業への転職は少ないようだ。「きつい、汚い」と見られているのか。

 それだけが原因ではないと思う。建設業の課題はむしろ、経験や資格がなければ入れないイメージを広く持たれている点ではないか。本当は未経験者歓迎で教育プログラムも充実していたとしても、世間には伝わっていない。イメージを変えるような情報発信が大事だろう。

(聞き手・吉村 慎司)

高岡幸生(たかおか・ゆきお)1967年7月札幌生まれ。91年北大法卒、リクルート入社。新潟支社長や地方管轄の事業部長を歴任し、2008年に退社してリージョンズ設立。


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