道が21・22年度競争入札資格審査で見直し案

2020年11月06日 10時00分

技術・社会点最大378点に引き上げ 施行成績配点は2倍

 道は、建設工事の2021・22年度競争入札参加資格審査について、主観点となる技術・社会点の見直し案をまとめた。技術点は品質確保に重点を置き、工事施行成績の配点を最大240点と現行の2倍に大きく引き上げる。社会点では、事業継続計画(BCP)策定企業を新たに評価するほか、災害協定締結企業や維持・除雪を担う企業の加点を増やす。多様な人材活躍、就業環境改善の取り組みは北海道働き方改革推進企業認定制度を用いて評価。技術・社会点の最大値は現行の約1・7倍の378点になる。

 道発注工事では、入札参加に必要な資格のうち、一般土木、舗装、建築、農業土木、水産土木、森林土木、電気、管の8種に格付けを付与。経営事項審査(経審)で算出した「客観点」と、品質確保や就労環境改善、安全・安心への取り組みなど、企業の技術力、建設産業発展や地域づくりに資する事項を審査する「技術・社会点」を合計した総合評定数値で格付けする。

 今回の見直しで社会点については、近年道内で頻発する自然災害への迅速な対応や、地域の安全に欠かせない道管理施設の維持・除雪を担う企業に重点を置いたことがポイント。

 「安全・安心への貢献」の最大値は現行の30点から、60点へと引き上げる。道などと災害協定を結んでいる場合の加点は10点アップして20点に、災害時対応として事業継続力強化計画か中小企業BCPを策定している場合は10点を受けられる。地域社会維持への貢献では、道と契約した場合で30点加点を新設する。

 現行の「仕事と家庭の両立支援」の項目は、多様な人材活躍や就業環境改善などに取り組む企業を道が認定する「北海道働き方改革推進企業認定制度」を活用。「あったかファミリー登録」や「なでしこ応援企業認定」などは、同制度での評価に移行する。同制度では企業の取り組み熟度を4段階で示しているが、資格審査ではゴールドかシルバーであれば12点、ブロンズは10点、ホワイトは5点を与える。女性の活躍支援は現行の6点から、3点へと引き下げる。

 技術点は公共工事品質確保法の改正を受けて、工事施行成績の評価などで品質確保を一層重視。各企業の技術力が向上していることにも対応するため、工事施行成績の最大加点を2倍にした。また、知事感謝状を贈呈する建設部工事等優秀者表彰のほか、20年度創設の建管優良企業表彰の受賞者には10点付与する。新分野進出建設企業表彰による加点は廃止する。

 総合評定数値の最大値は2521点。客観点の最大値は2143点と現行と変わらないことから、技術・社会点で引き上げる153点が現行からの上昇分になる。また、総合評価数値に占める技術・社会点の割合は15%で、現行より5.5ポイント上昇する。

(北海道建設新聞2020年11月5日付1面より)

北海道建設新聞2020年11月5日付1面には、道の技術・社会点見直し案の概要について、現行の配点と改正案の配点を比較した図を掲載しています。本紙の購読については、こちらのページをご覧下さい。


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