本間純子 いつもの暮らし便

 アリエルプラン・インテリア設計室の本間純子代表によるコラム。

 本間さんは札幌を拠点に活動するインテリアコーディネーターで、カラーユニバーサルデザインに造詣の深い人物。インテリアの域にとどまらず、建物の外装や街並みなど幅広く取り上げます。(北海道建設新聞本紙3面で、毎月第2木曜日に掲載しています)

本間純子 いつもの暮らし便(2)赤は目立たない色?

2020年11月12日 18時00分

 私は本業のほかに、NPO法人北海道カラーユニバーサルデザイン機構(北海道CUDO)で活動しています。こちらは手弁当なので仕事とは言えませんが、ことしで14年になりました。

 設立当初は「カラーユニバーサルデザインが常識になったら、北海道CUDOは解散!」と大真面目に考えていましたが、なかなか常識にはならず、今も普及啓発や相談対応を継続しています。

 色を介しての情報の行き違いは、さまざまなところにあり、長いこと色弱者個人の努力に依存していたと思います。それでも4、5年ほど前から少し変化を感じるようになりました。

 普段、初対面の方には本業と北海道CUDOの名刺の2枚を渡すのですが「北海道CUDO、色弱のことですね」「カラーユニバーサルデザイン、聞いたことあります」と話す方が多くなってきました。とてもうれしい反応です。
 さて、その色弱者ですが、日本人男性20人に1人、女性は500人に1人の割合で、日本は300万人以上いるとされています。

 時々「実は僕、色弱なんです」とカミングアウトされることがあり、5%の割合を実感しつつ、しばし色弱談義に花が咲きます。長年一緒に仕事をしている人の中にも〝告白〟してくれる人がいて、「気付かないものだなぁ」とあらためて思います。本人が頑張って隠しているわけではなく、「何とかしてきた」ということのようです。

 色弱には「型」があり、北海道CUDOでは赤を暗く感じる1型2色覚をP型強度、緑を暗く感じる2型2色覚をD型強度と呼んでいます。色弱は、病気ではなく色覚タイプの一つなので、私たちは血液型のように色覚の型で呼ばれるようになってほしいと考えています。ちなみに一般色覚者はC型で、Cはcommon(一般的や有り触れたの意味)の頭文字です。

 私は、比較的建築に近いところで仕事をしています。周囲は圧倒的に男性が多いので、色弱の人がいることを前提に図面や変更指示書を書きます。P型、D型にとって赤は特別目立つ色ではありませんので、変更箇所は青で書くようにしています。変更箇所に気付かず、スルーしてしまっては一大事ですから。

 C型にとって赤は目立つ色ですから、「青で書くと分かりにくいのでは」と思われるかもしれません。でも、青は以外と認識しやすい色なんです。少し自慢ぽくなりますが、実際、私の図面や変更指示書は色弱の人だけでなく、C型の人からも見やすいと好評です。

 逆に、赤を使うと「目立つはず」という意識が働くので、確認を怠りがちになります。「青で書いて、電話で確認する」が大事です。

 色に頼らない方法もお勧めです。強調したいときは①文字は大きめの太字で書く②アンダーラインを引く(二重線や波線も可)③丸や四角で囲む―などの方法が有効です。FAX送信のときのように書くのが良いようですね。

 出戻り工事は、時間、費用、材料、そして労力の損失が大きいです。残念な仕上がりになることもあります。変更内容がきちんと伝わらないための工事のやり直しは絶対に避けたいものです。

 もしかしたら、いつもの仕事仲間があなたの変更指示書で苦戦しているかもしれません。変更指示書の色使い、チェックしてみませんか?

(北海道建設新聞2020年11月12日付3面より)


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