網走刑務所が旧作業用地を有効活用 6日から企画提案募集

2020年11月16日 10時00分

地域活性化、受刑者の社会復帰を推進

 網走刑務所は、網走市三眺にある旧刑務作業用地の有効活用を計画している。農場や山林の旧作業用地757haを民間事業者などに貸し出して事業を創出し、地域活性化や受刑者の職業指導・出所者の社会復帰を推進する。2021年度から5カ年を事業期間とし、16日から企画提案を求める。刑務所が所有地を開放し、不特定多数の利用を含め有効活用を図るのは全国的にも珍しい取り組みだ。

網走川沿いに位置する現在の網走刑務所

 近年、全国的に犯罪数や受刑者数が減少傾向にある。網走刑務所も同様で、これまで刑務作業で使ってきた未活用の農地や森林が増加している。そのため、網走市と刑務所は、ことし3月に包括連携協定を締結し課題解決策を検討してきた。

 対象は旧作業用地757haで、農地や森林が大部分を占める。現在は隣接する二見ケ岡農場のみが刑務作業に使用されている。未利用の旧刑務作業用地を有効活用するため、刑務所が企画提案として広くアイデアを募る。

 一方、市は1―3月に有効活用に関する情報提供を呼び掛けたところ、持続可能な農業のための優良種苗の生産やワイン開発、西洋わさびの栽培など10件の提案があった。市は、情報提供を寄せた企業の中から共同体を組み、企画提案書を提出する考え。

 選定に当たって刑務所は、地方創生や受刑者の職業指導・出所者の雇用確保につながるかなどを基準に選定する方針。

 申し込み書・企画提案書を16日から12月25日まで受け付け、21年3月1日に事業者を決定する。事業者は1年ごとに使用料を国に支払い、事業終了後は現状回復することになっている。

 網走刑務所の担当者は「更生に向け、受刑者の雇用確保・職業体験を推進していければ」と話している。

 1―3月に網走市が実施した情報提供の詳細は次の通り。

 ▽オホーツク網走農業協同組合=持続可能な農業のための優良種苗生産▽日本体育大学付属高等支援学校=ぶどう栽培、ワイン開発▽金印=西洋わさび栽培▽操愛会・オホーツクスポーツクラブ=共生型社会に向けた自然農園▽WIND―SMILE=森林資源有効活用▽網走地区森林組合=森林資源有効活用▽北洋銀行=空き店舗活用による外国人労働者受け入れ環境整備、宿泊施設▽早水組=観光農業体験付き宿泊施設▽良品計画=中心市街地への店舗出店▽モンベル=エコツーリズム体験

(北海道建設新聞2020年11月13日付1面より)


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