会社探訪記 北海道ポラコン 大雨、洪水から街を守る

2020年11月18日 12時00分

「スカパラ」のように次々客演 企業間の化学反応促す

 北海道ポラコン(本社・札幌)は、雨水の浸透や集水に効果的なポーラスコンクリートの製造会社だ。最近はゲリラ豪雨などで都市型洪水が目立っているため、その役割は一層高まっている。日本で培った浸透工法のノウハウを輸出し、インドネシアでの事業化も模索。カイロプラクティック会社や介護福祉会社とワークウエアを研究するなど多角化にも積極的だ。

膨張性粘土に悩むインドネシアで事業を模索する

 1973年6月に創業した。現在は札幌を本社に、帯広と新潟に営業所を設ける。ポーラスコンクリートの製造工場は栗山町に構える。

 ポーラスコンクリートは、細骨材を極端に減らして製造するコンクリート。表面に無数の穴が空いていることで、雨水を地中に浸透・拡散させたり集水する。異常気象で大雨や洪水が増える中、都市と自然と水をつなぐ多孔質コンクリートとして注目されている。

 ポーラスコンクリート製造で45年余りのノウハウを生かし、インドネシアでの事業化を模索している。国際協力機構(JICA)の中小企業海外展開支援事業の採択を受けるなどし、2018年度から現地の行政当局と情報交換するなど市場調査を進めている。

 インドネシアの土壌は、水を含むと体積が増える膨張性粘土が特徴。膨張と収縮を繰り返すことで上部の舗装路面が壊れるなど、インフラ課題を抱えている。

 同社は、降った雨水を浸透桝や浸透トレンチ管などで集め、土の吸収能力を計算しながら地下に浸透処理する「地下浸透工法」で、現地の困りごとを解決したいと考えている。

 20年度もJICAの中小企業・SDGsビジネス支援事業に採択された。これまでの基礎調査から一歩踏み込み、多孔質コンクリート製品が現地のインフラ被害をどれほど抑えられるか適合性を判断する。コロナ禍で渡航制限が敷かれているため、具体的な活動は21年4月以降になりそうだという。

 本業のほかに、医療や介護現場で働く人向けのワークウエア事業を進めている。18年に100%子会社のR―e(本社・札幌)を設立し、札幌拠点のカイロプラクティック会社と体のゆがみを治すカイロスーツの研究を続けている。

R―eが手掛ける抗菌仕様の布マスクやマフラー

 ことしは寿産業(本社・札幌)のクレピアファイバーを利用し、抗菌仕様の布マスクとマフラーを上市した。今後は中敷きや靴下、手袋などの販売を予定。大手の介護福祉会社と共同でガウンも開発中にある。

 中島康成社長は「東京スカパラダイスオーケストラのように、次々と同志の企業をフィーチャリング(客演)したい」と話す。合作によって企業間の化学反応を促し、世の中の困りごとを解決する製品やサービスを導ければと考えている。

 コンクリート業界のスカパラが次にどんな演者を招くのか、この先も目が離せない。

(北海道建設新聞2020年11月16日付3面より)


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