住民生活や産業活動の支え
函館建管が架け換えを進めてきた道道八雲今金線の今金橋が12月15日に開通する。総事業費は約55億円で、多くの建設業者が施工に携わった。事業着手した2014年度から7年の歳月を経て、地域住民の生活に欠かせない橋梁が完成を迎える。
同橋は今金町内に位置し、1級河川後志利別川をまたいで北側の市街地と南側の畑作地帯を結び、住民の生活や産業活動を支える道道橋。また、八雲今金線は八雲町と今金町を結ぶ路線で、今金町民にとっては2次医療機関や大型商業施設がある八雲町に向かう最短ルートであり、桧山管内北部と渡島管内をつなぐ広域ネットワーク形成を担っている。
しかし、上部の舗装とコンクリート床版の間に水がたまり、凍結融解の繰り返しで床版上面が土砂化し、橋面の緊急補修が増加。下部は洗堀による河床低下が進み、安定性が低下していた。
補強や補修では対応が困難な状況になったことから、架け換えを決断。現位置と下流側を検討し、現位置で架け換えることにした。
旧橋は、1959年に車道部、77年に歩道部を架設した橋長272・8mの歩車分離橋。車道幅員5・5m、路肩0・5mの全幅6m、歩道幅員は2・5mだった。上部は10径間単純鋼板桁橋、下部が壁式橋台2基、支柱式橋脚(ケーソン基礎)9基となっている。
今回開通となる新橋は橋長274・3mで、車道幅員5・5m、路肩両側1m、歩道幅員2・5mの全幅10m。上部は5径間連続鋼箱桁橋、下部が逆T式橋台(杭基礎)2基、壁式橋脚4基。中央部のP2、P3は被圧地下水に対応するニューマチックケーソン基礎、橋台側のP1、P4は杭基礎を採用した。
現在は11月末の完成に向け橋面舗装と道路付属施設を施工中。開通後は護岸と仮橋撤去を進め21年3月の完成を目指す。
設計は北海道土木設計が担当。下部は和工建設や森川組、高木組、岩田地崎建設、伊藤組土建、鈴木中川建設、上部は旭イノベックス、巴コーポレーション、楢崎製作所、表鉄工所、釧路製作所、橋本川島コーポレーション、伊藤組土建、高木組などが手掛けた。
(北海道建設新聞2020年11月25日付13面より)