育休取得に役立てて
北海道開発局は、職員が望むワークライフバランスの実現を目指し、組織内のポータルサイトでさまざまな働き方を情報共有している。男女ともに育児休業を積極的に取得し、男性職員は11月末現在で11人の体験談を掲載。実体験情報を蓄積し、キャリア形成や育休取得の不安払拭(ふっしょく)に役立てている。(帯広支社・阿部 みほ記者)
国土交通省は2015年1月、女性職員活躍と職員のワークライフバランスに関する取り組み計画を策定。開発局は男性職員の育休取得も促そうと、同4月に組織内イントラネットでポータルサイトを開設し、キャリア実現や育休に関する体験記の掲載を始めた。
男性職員の育休体験談はサイト開設当初からあり、本局4人、各開建5人、国交省2人(所属は取得当時)の有志が協力。本人が執筆した体験記や講演録を載せている。
帯広開建の工藤拓也治水課長は、ことし7月下旬から新型コロナウイルスの影響で里帰り出産が困難な妻のために育休を取り、5歳になる長女の面倒を見た。出産予定の前日から休み、約1カ月間職場を離れた。夫婦ともに開発局職員のため、妻の職場復帰をサポートするために育休を取った男性職員もいた。
開発局人事課の調査によると、男性職員の体験談があることによって「育休には収入面などに不安があったが、同じ職場で取得した人の話は大変参考になった」という声が集まった。
政府は20年度から「子どもが生まれた男性職員全員が1カ月以上の育休取得」を目標に掲げる。開発局では、妻の出産時と産前産後に取得できる特別な有給休暇制度でも男性の育休を支援。20年度の政府目標である男性職員育休取得率13%を達成できる見通しだ。
斎藤雅子人事対策官は「男性職員の積極的な育休などで、女性の負担軽減と職員のワークライフバランス実現を促進したい」と話している。
(北海道建設新聞2020年12月3日付1面より)