深掘り

 地域経済の成長には、新たな技術シーズを生み出すだけではなく、その技術を発展させたビジネスの創出が欠かせません。〝勝ち〟にこだわる経営者らの発想やアイデアを紹介します。

深掘り/北海道住宅都市開発協会 高山 寿雄理事長

2020年12月09日 12時00分

本州に届け 北海道の住宅 

高山寿雄氏

 北海道住宅都市開発協会(本部・札幌)は、道内ハウスメーカーを中心とした正会員40社、賛助会員34社でつくる住宅・不動産の業界団体だ。新型コロナウイルスで経済が大きく揺れたことし、戸建て住宅のビジネスはどう動いたのか。中長期の業界展望と併せて、コスモ建設(本社・同)会長でもある高山寿雄理事長(74)に聞いた。

 ―戸建て販売の動向は。

 年明けから4月までは低調だった。戸建ては通常1―3月に多く受注する。寒い季節の方がお客さまが住まいについて切実に検討しやすいこと、また注文すれば春にすぐ着工できるタイミングの良さからだが、コロナ発生で先行き不透明になり、盛り上がらなかった。だが5月ごろ落ち着き、7―9月はよく動いた。好調が10月まで続いて、11月はまた少し落ちている。

 ―夏場に新築の注文が多く入ったのか。

 売れたのは建売住宅だ。コロナ禍のリモートワーク、また在宅時間が増えて狭い部屋への不満が出てきたことで、すぐ入れる完成物件を選ぶ例が増えたのかもしれない。建て売りはコロナにかかわらず今後も伸びそうだ。実物を見られない注文住宅と違い、自分の目で確かめて買える利点がある。設計などで事前打ち合わせを重ねるのを面倒に感じるお客さまにも向く。

 ―市況は今後どんなシナリオが考えられるか。

 予測は難しい。今は観光産業が厳しく、関連企業に勤める人の収入状況にも影響するが、今後の住宅販売にどう表れるか読めない。だが、この状況が永続することはない。コロナ収束後には必ず需要があり、それまでどう我慢するかだ。

 ―今ハウスメーカーはどう動いている。

 在庫がはけて、一斉に土地を仕入れている。というのも、本州では主に土地を購入済みのお客さまが家を発注するのに対して、本道では土地と建物を同時に買うのが大半を占める。人口が集中する札幌を中心に地価は上がっているが、少々高くてもメーカーはまず土地を持たなければ商売ができない。

 ―土地の獲得競争が激しいのでは。

 特に札幌市内の宅地不足は深刻だ。将来の人口減が予測される中、新たな大型宅地造成は市が認めなくなっている。空き家を解体してその土地に新築するとしても、空き家はなかなか売りに出ない。地価上昇を背景に、物件所有者が「売らずにいればもっと上がるのではないか」と期待するためでもある。
 近年は土地代だけでなく資材価格も上がり、建築費は高騰している。単に価格転嫁すると家を買ってもらえなくなる。若い人に手の届く価格にするため、結果として敷地は狭く、建物も小さくなる傾向にある。

 ―住宅市場の先行きは楽観できない。道内ハウスメーカーはどうなる。 

   考えなければならないのは、どこかで大同団結しなければ本州資本と渡り合えなくなるということ。私たち地場メーカーは、本道の気候風土に根差した高い技術で家を建てながら、その良さを市場に伝えきれていない。
 私は、本道メーカーが連携して本州市場に出て行くべきだと提言している。本州は市場規模が桁違いに大きい。高品質な「北海道住宅」のブランドを掲げて展開すれば、成功の可能性は大いにある。最近は住宅業界の経営者も代替わりで40代など若い人が増えた。他社を競合先とみるだけでなく、手を組むべき所は組んで、長期的に生き残る方法を真剣に考えるときではないか。
(聞き手・吉村 慎司)

高山寿雄(たかやま・ひさお)1946年8月苫小牧出身。71年日大卒、大京観光入社。栗林ミサワホーム勤務を経て84年コスモ設立、社長就任。2017年から会長。14年から北海道住宅都市開発協会理事長。

(北海道建設新聞2020年12月8日付2面より)


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