洞爺湖町は、ふるさと納税の仕組みで寄付を募るガバメントクラウドファンディングを活用し、洞爺湖の財田自然観察道(通称・財田遊歩道)にある展望デッキ修復を目指している。目標金額の300万円達成に向け、2021年2月28日まで受け付ける。

破損が著しい財田地区遊歩道の展望デッキ(洞爺湖町提供)
同町財田地区は、温泉旅館が集積する温泉街の対岸となる北岸側に位置。1949年に一帯が支笏洞爺国立公園に指定されてからは、当時の洞爺村が地区に遊歩道や展望デッキ、トイレなどを整備した。
キャンプ場や環境省が整備した洞爺財田自然体験ハウスがあり、特に洞爺湖町の自然を感じられるエリアで、住民や観光客に親しまれている。
設置から約20年経過した展望デッキは、激甚化する台風や湖畔水位の変化でダメージを受け、手すりや踏み板が破損。展望デッキの湖畔に突き出した水上部分には、立ち入り禁止のロープがつながれている。
町はふるさとチョイスのサイトを通じ、10月7日から展望デッキの修復費用をふるさと納税の形で募っている。7日現在で寄付金額は106万4000円。15日で前期の募集期間を終えるが、16日―2021年2月28日を後期期間として引き続き寄付を求める。
目標金額に達しなかった場合、不足分を町が負担して21年度に展望デッキの修復に踏み切る方針だ。
この活動を担当する町ジオパーク推進課の中谷麻美主査は「町にとって初めてのガバメントクラウドファンディング」と戸惑いをにじませながらも「町の観光施設を住民、観光客みんなで大事にしていく取り組み」と捉えている。
ふるさと納税の返礼品には、一定額以上で地域の食材を用意しているほか、補修・補強したデッキに名入れができる特典もある。町財政に苦しみながらも、観光地の美観形成に尽力を注ぐ。
(北海道建設新聞2020年12月10日付9面より)