IR誘致候補地に植苗を特定 苫小牧市

2020年12月15日 15時00分

インフラ整備に178億円

 苫小牧市は、国際リゾート構想・IR誘致における候補地の考え方をまとめた。自然環境対策やインフラ整備の考え方などを調査・検討した上で、以前から候補地としている植苗地区をあらためて候補地に特定。開発面積は自然環境などを考慮して50ha未満とし、市が実施主体となる道路整備・上下水道整備の概算事業費には178億円を試算した。

 IRを巡っては、道がオオタカなど自然環境への配慮ができないとして申請を見送った経緯があるが、その後も市では道と連携し、IR誘致に向けた検討や調査などの取り組みを進めている。

 一方、国全体の流れでは、政府がIR整備に関する地方自治体からの区域整備計画の申請期間を当初予定していた2021年1月開始を9カ月延期し、21年10月1日から22年4月28日に変更する見通し。

 市では、猛きん類や植生など周辺環境調査を実施。ことし6月に環境影響調査の評価結果としてまとめ、動植物に対する影響の回避、低減の可能性があると判断した。ただ、自然環境を考慮して開発面積は50ha未満と規定し、着工に当たっても北海道らしい環境・自然と共生するIRの実現を目指す。

 開発手続きに当たっては、現候補地は市街化調整区域のため、千歳・苫小牧地方拠点都市地域基本計画で拠点地区として指定。開発許可申請は市に対して事業者が行う。候補地以外の場所は引き続き、市街化調整区域とする。

 インフラ関連では、道路整備で新千歳空港接続道路延長4・6㌔に63億円、市街地接続道路延長8・7㌔に37億円の計100億円を見込む。上下水道整備は、上水道整備延長8・7㌔に24億円、下水道整備延長13・5㌔に54億円の計78億円を試算。ウトナイ湖など自然環境へ最大限配慮し、地下水は使わず公共上下水道を整備・連結する。道路、上下水道とも事業の実施主体は現時点で市とし、財源には交付金や起債を充てるほか、事業者負担なども考えている。

 市は、環境調査やインフラ整備の試算などを踏まえ、新千歳空港に隣接している点が大きな強みで、北海道らしいIRの実現のためには自然と共生した魅力あるリゾートであることが必要と強調し、植苗地区を北海道IRの候補地に特定した。

(北海道建設新聞2020年12月14日付3面より)


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