半年の間に、外国人が道内から2400人いなくなった―。法務省出入国在留管理庁が公表した在留外国人統計によると、6月末現在の道内の外国人総数は4万47人で、前回公表した昨年12月末の4万2485人から5.7%減少した。6カ月前より人数が少なかったのは13年12月末以来。新型コロナウイルス感染拡大を受けて多くの留学生が春までに帰国したことが影響しているようだ。
全国では4万7233人減の288万5904人で、マイナス幅は1.6%。本道の減少率は全国より4.1ポイント大きかった。
在留資格別に道内を見ると、変化が目立つのは「留学」で1020人減の3932人だった。また、主要分類に入らず個別に状況を判断される「特定活動」も、1056人減って2146人だった。特定活動はインターン学生や、一部の国からの研修生、治療目的など短期滞在の外国人を多く含む。両資格で道内のマイナス分の9割近くを占めた。
建設業で働く例も多い「技能実習」「特定技能」は、合わせて152人増の1万3658人と、横ばいだった。コロナ拡大で3月後半からほとんどの国際フライトが運休したため人の往来ができず、これまで半年ごとに数百―1000人規模で増え続けた勢いがストップした。
全国では技能実習などは計40万8372人で、4221人減った。一方で特定活動が7253人増加。日本政府が、在留期間の切れた技能実習生への救済策として、短期の特定活動資格を与えていることが影響しているとみられる。道内でも、来夏公表される今月末時点の統計では特定活動が増えそうだ。
新しい実習生が来日できないため、技能実習のスタート時に取る資格「技能実習1号」は道内で1012人減の4368人となった。一般的な3年間の技能実習を終えた後に認められる「技能実習3号」と「特定技能1号」については、本道でそれぞれ207人増の1127人、203人増の287人だった。職場で経験を積んだ外国人が増えている。
市町村別に見ると、留学生の多い札幌市が652人減で1万4613人。このほか倶知安町とニセコ町が1178人減、294人減と下げ幅が目立つが、冬の国際リゾート地としての季節要因も大きいと考えられ、人数を1年前と比べれば451人、80人多い。むしろ帰国がかなわず滞在を続けている外国人が少なからずいることを示唆している。
(北海道建設新聞2020年12月21日付2面より)