親しまれるまちづくりを提案
函館工高の生徒の手による函館駅前の街区模型がこのほど完成した。二本柳慶一建築研究所(本社・函館)の指導の下、製作を進めてきたもので、18日に同社関係者や報道機関向けに披露。商業施設の充実や歩きやすい設計など、観光客だけでなく地元住民にもより親しまれるまちづくりを提案した。

模型の完成に達成感を味わう生徒と指導に当たった二本柳慶一建築研究所の尾田圭輔さん(左端)
建築科3年生の課題研究という授業の一環で、将来、建築設計の道に進む生徒たちへまちづくりの魅力を肌で感じてもらおうと初めて企画した。
現地調査や、同社が保有する設計データを基に、若松町から大森町に至る駅前一帯の地域の模型を600分の1の縮尺で作り上げた。スタイロフォームの加工による建物は、飲食店やホテル、商業施設など、その役割ごとに色を変えるといった工夫を凝らしている。
この日はプレゼンテーションで模型を活用しながら研究成果を発表した。空き地や駐車場が目立つことや、居酒屋などが多い半面、若者が魅力を感じるような商業施設や娯楽施設などが少ないことを指摘。こうした施設を充実させる必要性や、ヨーロッパの繁華街に見られるようなアーケードを設置し、気軽に歩いて回れるようにすることなどを提案した。
発表を終えた生徒たちは「自分たちの住むまちの改善点を友達と話すきっかけにしたい」「函館にも良いところはたくさんある。どうすればそれを伸ばせるかや人が集まるようにするかを考えたい」と話していた。
(北海道建設新聞2020年12月22日付15面より)