「楽しむ会」副理事長の西村さん
NPO法人旧狩勝線を楽しむ会副理事長の西村良雄さんが、旧狩勝線の鉄道遺構群の一つである土木施設「大カーブ」の断面図を手描きで作製した。推定盛り土量は68万m³で、10㌧ダンプトラックで運搬した場合は約11万台が必要と試算。断面図を手に「国内有数の土木工事だったと思われる」と話している。
長野県松本市出身の西村さんは68歳。東京で機械関係の設計事務所を経営していたが、2000年12月に新得町に移住。03年、仲間と共に任意団体の旧狩勝線を楽しむ会を創立。団体は05年にNPO法人となり、13年から副理事長を務める。
大カーブは、03年に土木学会の選奨土木遺産に認定、09年には経済産業省の近代化産業遺産群となった。技術的、歴史的にその価値の高さが認められている。
施設に関しては未解明な部分もあり「重機がなかった当時、人力でどのように造られたのだろうか」と興味を持ち、記録に残されていた数字を参考に地図に当てはめて実寸を計算。最大値を推測して手描きの概念図や断面図を作製した。
最大箇所で幅150m、高さ10m、法面の長さ60m、土工量67万6800m³、10㌧ダンプにして11万2800台分と割り出した。土の密度などは考慮していない。
西村さんは「自分は土木に関しては素人。来年にも現地で調査をしてみたいが、協力していただける専門家がいたら、ぜひお願いしたい」と話している。(帯広)
(北海道建設新聞2020年12月24日付9面より)