深掘り

 地域経済の成長には、新たな技術シーズを生み出すだけではなく、その技術を発展させたビジネスの創出が欠かせません。〝勝ち〟にこだわる経営者らの発想やアイデアを紹介します。

深掘り エーエスシー 湊芳之社長

2020年12月28日 15時00分

湊芳之社長

札幌で働きたいを形に

 不動産のアットホームグループであるエーエスシー(本社・東京)は、グループ会社として初めて自社ビルを札幌市内に新築する。物件情報管理や不動産関連システム開発などを担う同社の湊芳之社長に札幌を選んだ経緯や狙いを聞いた。

 ―ビルを新築する目的を

 グループに属しているが、成長するには1つの企業として自立する必要がある。それを念頭に人材確保、システム開発に向けたより良い環境整備を目指してビル新築を決めた。

 札幌市内では地下鉄東西線西18丁目駅付近のビルと厚別区の札幌テクノパーク内に事業所を展開している。これらを新ビルに集約し、グループ全体のさらなる事業展開の拠点とする。岩田地崎建設の施工で、2021年6月の完成を予定している。グループで利用するフロア以外は、オフィスとして貸し出す予定だ。

 ―札幌を選んだ理由は。

 人材確保の面で魅力を感じている。東京在住で勤務する札幌出身者は、東京で働いても将来的にUターン転職して、自立したいと考える人が多い。札幌で求人募集すると、Uターン転職を希望する応募がある。

 東京都と比較して金銭的にも住みやすく、「札幌という街で働きたい」というニーズがある。そこに自社のシンボルとなる拠点があれば、人手不足でも良い人材が獲得できるのではと考えている。市内に常駐する社員は計17人だが、地元採用を中心に、1年後には倍にしたい。

 当社は全国の不動産物件情報を1日100万件以上処理していて、東京で業務をしなければならない理由はない。その上、新型コロナウイルス感染拡大によるリモートワーク、オンライン会議の普及で、働く場所を選ばない時代になった。札幌で拠点を整備する意義がさらに高まったとみている。

 ―新ビル整備までの道のりを。

 数年前から土地を探していて、JR札幌駅からも徒歩圏で環境が良い北11条西4丁目の土地を取得できた。ビルは、以前からつながりのあった常口アトム(本社・札幌)に総合プロデュースしてもらうことにした。

 既存ビルを改修しての活用も視野にあったが、老朽化や補修に関する費用、将来的な収益性、問題点も考慮し、ビル新築にかじを切った。常口アトムは札幌の不動産需要の動向なども踏まえ、最適な開発方針を提案してくれた。

 ―新ビルをどのような拠点にしたいか。

 グループ全体として札幌での営業を強化する方針だ。まずはその拠点として落ち着いて事業を進められる環境を整える。

 オフィステナントについては、IT関連の企業が入居してくれればと考えている。事業所を置く札幌テクノパークでは、ITの基礎的な部分を売りにする企業から、最先端の技術に挑戦する企業まであり、多様性を感じた。こうした企業が集まり、良い化学反応が起きることを期待している。

(聞き手・宮崎 嵩大)

 湊芳之(みなと・よしゆき)1955年12月8日富山県生まれ。86年8月のエーエスシー創立から同社に在籍し、92年8月に社長に就任した。

(北海道建設新聞2020年12月25日付2面より)


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