おとなの養生訓

おとなの養生訓 第198回「お正月のお酒」 お家でのんびり飲んで

2020年12月26日 09時00分

 今度のお正月は、コロナ禍のために、お家で、家族でお祝いすることになりそうです。初詣やお年始回りはなるべくやめにして、テレビやビデオでも見ながらのんびり過ごしましょう。そうなると、朝からお屠蘇(とそ)、そしてお酒を傾けて、お節料理やお雑煮を楽しむことになりますね。ただ、飲み過ぎだけはお気を付けください。

 まず、朝から昼にかけて飲酒をすると、夜間に比べて血液中のアルコール濃度が高くなりやすいことが分かっています。つまり、酔いが回りやすいのです。肝臓にあるアルコールを分解する酵素の働きが、午前中に一番弱くなることが明らかになっているからです。アルコール濃度が高くなるので、酔いが早くなるだけでなく、体に対しても大きな負担になります。

 一方で、お家でお酒を飲むと、外食でお酒を飲むより酔いやすいとも指摘されています。こちらは、過分に心理的な影響が大きいといわれています。お家で飲めば、飲み過ぎても、いつでも横になり、眠ってしまっても問題ありません。北海道の冬では、酔っぱらって帰宅する夜道で眠り込んで凍死するという悲しい事故が度々起きますが、その心配は全くないわけです。

 また、お正月なら休みが続くので、寝坊の心配すらありません。つまり、お家で飲むのは、相当「油断している」といえるのです。そこで、量も進み簡単に酔っぱらってしまいます。

 酔いすぎ注意といっても、せっかくのお酒を加減しながら飲むというのも興ざめですね。続けて飲む時間を区切って、間に飲まない時間を2、3時間入れるという方法もあります。その時間で家族とゲームをしたり、映画を楽しんだりすれば、一石二鳥です。それぐらいの時間休むと、体のアルコール濃度は下がり、体は楽になってきます。もちろん、もっと間隔が空けられるのであれば、申し分ありませんが。

 飲酒と同時に水分補給も必要です。アルコールは体から水を失わせる作用があり、それが、頭痛や二日酔いなどの悪影響を引き起こすからです。「真水はちょっと」という人は、炭酸水を用意する手もあります。お正月のごちそうは塩辛いものが多いので、塩分を流す意味でも水分補給は大事です。

 お家でゆっくりお酒を楽しんで、のんびり過ごすお正月もいいものです。

(札医大医学部教授・當瀬規嗣)


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