被災後の体制や対応 道内自治体は復興事前準備に遅れ

2021年01月19日 15時00分

国交省が調査 コロナ対応の優先などが背景に

 国土交通省は、地震や津波といった災害を想定した被災後の復興とまちづくりに備え、平時からの準備状況に関する自治体への調査結果をまとめた。道内では65%の自治体が復興体制や手順を地域防災計画など関連計画の中で事前に定めておらず、全国水準からも遅れが見られる。さらに、新型コロナウイルス感染症対策による防災・復旧体制の再構築などにも追われ、復興の事前準備には手が回らないといった事情も透けて見える。

 国交省は激甚化する自然災害に備え、被災後の迅速な復旧、復興を進めやすいよう、被害想定を踏まえたソフト面の事前準備を自治体に促している。2018年には、事前準備のガイドラインを策定。①庁内の体制②時系列の対応手順③職員らによる訓練④基礎データの整理・分析⑤復興目標設定―の5項目に分けて、検討の具体的な方法やノウハウをまとめた。

 この5項目について全国の都道府県と市区町村、計1783団体が回答し、道内は道と179市町村が答えた。道内で5項目のうち、いずれかの取り組みを検討済み・検討していると答えたのは35%に当たる63自治体、未検討が65%の117自治体だった。

 着手済みの自治体を見ると、18年の北海道胆振東部地震で被災した札幌市は、地域防災計画の中で復興時の生活・経済支援体制、復興初動から半年程度の流れを定めた。むかわ町も震災を機として「むかわ町復興計画」を別個に策定し、アンケートなどを通して復興後の市街地イメージ、施設整備方針などを固め、25年度までの中長期的な復興に取り組んでいる。

 一方で、道内自治体の未検討の割合は全国の45%より20も高い。帯広市は新型コロナウイルス感染症が拡大していることを踏まえ、避難所運営マニュアルなど地域防災計画で定める応急対応・復旧時の対策の見直しを復興事前準備より優先して進めている。

 復興に関しては民間の土地所有者らとの連携も必要になるなど一定の期間を要することから市の担当者は「優先順もあり、そこまで手が回らないのが現状だ」と着手困難な現状も明かす。

 国交省は事例の周知のほか、災害復興を経験した自治体職員らを「復旧・復興まちづくりサポーター」として研修会に派遣するなどして事前準備の促進を図る考えだ。

(北海道建設新聞2021年1月18日付1面より)


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