住宅流通研が調査
札幌市内で2020年に新規発売された分譲マンションは1345戸で、前年を0.9%上回ることが住宅流通研究所の調査で分かった。JR苗穂駅周辺の大型再開発に伴う高層マンションの供給が本格化したことなどで、全体を押し上げた。一方、繰り越し分を含めた成約に関しては、新型コロナ禍の影響などで14.9%減の1201戸と伸び悩んだ。販売したデベロッパーは2社増の23社。大和ハウス工業が249戸を発売し、首位となっている。
20年の市場を振り返ると、2月に大和ハウス工業が総戸数407戸あるツインタワーの「プレミストタワーズ札幌苗穂」の売り出しを開始。大京・住友不動産・JR北海道の3社が共同で販売中の「ザ・グランアルト札幌苗穂」と相まってJR苗穂駅エリアを中心に、供給が急拡大した。
しかし、3月に政府の緊急事態宣言が出され、発売延期や休業する販売企業が増えたことで、5月の新規供給が2物件5戸まで落ち込んだ。
6月には緊急事態宣言の解除で、外出自粛要請が緩和されたことにより、市場は徐々に回復。10月からは例年並みに発売量を盛り返し、年間新規発売総数は1345戸と前年を上回った。
一方、新規、繰り越し分を合わせた年間成約戸数は1201戸で、前年よりも減少した。同研究所の入谷省悟所長は、新型コロナの影響だけではなく「物件価格の高止まりから成約が伸びない状況にある」と分析する。
平均坪単価は前年よりも15万6000円増の199万円に上昇。成約率は11.3%減の72.8%と減少している。新型コロナの感染再拡大や高額物件を背景に、今後の販売鈍化が懸念される。
20年に販売したデベロッパーは23社。首位は大和ハウス工業で165戸増の3物件、249戸を発売。2位はクリーンリバーで4物件、163戸、3位は日本グランデで4物件、129戸と続いた。
(北海道建設新聞2021年1月18日付2面より)
北海道建設新聞2021年1月18日付2面では、23社(共同売り主は分割して各企業に加算)のデベロッパー別新規分譲マンション発売戸数を掲載しています。
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