管理者に代わり点検と助言 道内では初の取り組み
北海道開発局と国土技術政策総合研究所、土木研究所は26日に「道路メンテナンス技術集団」を組織して白老町に派遣し、老朽劣化した町道白老橋の直轄診断を実施する。損傷の度合いが激しく補修工法を検討するのに高い技術力を要する場合など、道路管理者に代わって点検と技術的助言を行う制度で、道内では初の取り組みとなる。
道路構造物の老朽化と長寿命化については、地方自治体が多くの施設を管理する一方、財政や技術面で課題を抱えるため遅れが見られる。国土交通省は開発局・地方整備局、国土技術政策総合研究所、土木研究所職員らの「道路メンテナンス技術集団」を派遣する自治体支援制度を2014年に創設した。
道内での直轄診断は初めてで白老町の要請により派遣が決まった。診断対象となる白老橋は中央通にある長さ148mの橋梁で、市街地南西部を流れる白老川河口に1953年に架設された。
上部構造は3径間連続RC桁橋2連と単純PC床版橋の混合。海に面する地形のため橋梁全体が塩害で損傷し、支承部の腐食も確認されていて、緊急を要する状態だ。
26日に技術集団は白老町入りして、近接目視による点検を行う予定。その後、町に対して助言や提案するほか、町での整備が困難な場合は直轄による修繕代行も視野に入れている。
(北海道建設新聞2021年1月20日付4面より)