会社のアピール、3K払しょく
MFP(本社・札幌)は、マンション大規模修繕の現場や商業施設の駐車場などを管理するセキュリティー会社だ。一般的な警備の仕事に接客サービスを付加した業務姿勢から、業界でも異色な存在と注目される。2019年にユニホーム販売会社を立ち上げ、昨年はよりすぐりの商品を紹介するショールームを開設した。
創業は02年。セキュリティーとサービスの融合をモットーとする。スタッフのユニホームが特徴で、背中に大きなMFPのロゴを記したブルゾン、ストレートパンツとキャップを身に付けて、交通誘導や施設管理に当たる。
目黒辰郎社長は大学卒業後、日本初のデザイン専門学校とされる桑沢デザイン研究所に入学。その後、大手アパレルメーカーなどで務め、1999年に独立した。アパレル業界で働いていた当時、百貨店の担当者から「デパートは駐車場も売り場の一つ」と教えられたことが、MFPの事業姿勢の原点となっている。
19年にユニホーム販売会社のM’s DESIGNを設立した。企業イメージに合わせたカラーリングやロゴのユニホームを提案し、会社のアピールや社員の意識向上につなげてもらおうと取り組む。
昨年11月、会社そばにショールームを開設した。目黒社長が選び抜いたファッション性の高いワークウエアを、アパレルショップのようなディスプレーでPRする。
藤和(本社・広島県福山市)のTS DESIGNなどファッション性の高い5ブランドほどに限定して扱う。デニム地のワークジャケットや異素材のコンビ配色ダウンなど、バリエーションに富む。日常のおしゃれ着としても使え、どれも今までの作業着の印象を覆す商品ばかりだ。
ワークウエアゆえに機能性にもこだわる。冬物は中綿や裏地がしっかりした作りで、暖かさと軽さを兼ね備えたものを多くそろえる。ヘルメットをかぶっていても使えるよう、フードは大きめのデザインを重視する。
企業の経営者向けに革製品のオーダーメードも手掛ける。素材はカーフやスエード、シープスキン、型押し牛革など。値頃感のあるオリジナル財布や名刺入れ、iPadケースなどが好みで作れる。目黒社長いわく「同じ素材の革を使い、通帳入れや代表印ケース、手帳カバーなどを統一して作るのがお勧め」とか。
ショールームの手応えは上々だという。警備を依頼するため来社した建設会社の社長や現場代理人を招いたところ、ファッション性の高いワークウエアの実物に触れ、購入を即決する人も多数いた。今後は、住民と接することの多い大規模修繕の現場で仕事をする会社などに強く訴求したいと考える。
目黒社長は「ワークウエアにファッション性を取り入れれば、市民や新入社員が抱く建設業のイメージが変わり、仕事の誇りをアピールできると思う。3Kの払しょくや他社との差別化を考えている建設会社には、ぜひ提案を聞いてほしい」と話している。
(北海道建設新聞2021年1月25日付3面より)
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