20年度は減少予想 コロナ禍の受注減が影響
北海道IT推進協会がまとめた「北海道ITレポート2020」によると、道内IT産業の2019年度売上高は前年度比4.9%増の4813億円と8年連続で増加した。道内、首都圏での受注量増加や、新規顧客獲得が進んでいることが背景にある。20年度売上高見込みはコロナ禍の影響で4731億円と減額を予測している。
道内に立地しているIT産業本社事業所・道外本社企業の道内事業所889事業所を対象に、経営実態や課題を把握するためのアンケートを実施。221事業所が回答した(回答率24.9%)。
19年度の業績としては、4813億円と7年連続で4000億円台を維持。59.8%が増収になったと回答していて、売上高の規模別で見ると、10億円以上の55.9%が増収・増益とした。
増収の主な要因として、道内受注量の増加と答えたのが全体の55.5%を占めた。次いで首都圏受注量の増加が39.1%、新規顧客の開拓が33.6%と続いた。
道内事業者の取引先としては同業他社が最多。このほか官公庁、卸売・小売・飲食店、食関連以外の製造業の順に割合が高かった。
20年度の売上高見込みは、全体で4731億円と9年ぶりに前年度を下回ると予測。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、カーナビなど自動車関連機器を担う製造業からの受注が落ち込んだことを一つの要因として挙げている。
このほか、開始したいと考えている新規取引区分を聞くと、道内事業者では官公庁が最も多い26.1%を占めた。
(北海道建設新聞2021年1月25日付2面より)