苫小牧駅前ではバスターミナル・周辺の一体再整備推進へ
苫小牧市は、地域公共交通計画の方針と取り組み案をまとめた。計画ではバス路線の効率化を最重要課題に取り組むほか、都市計画マスタープランなどとも連動し、生活拠点における乗り継ぎ拠点整備を進める。沼ノ端駅周辺に加え、明徳町、日新町、三光町が検討対象となっている。
方針と取り組み案は、22日に開かれた公共交通協議会計画検討分科会で市が示した。
基本理念のたたき台は「将来にわたり持続可能な公共交通ネットワークの形成」。計画目標には①利用促進と利便性向上②将来都市構造に対応した持続可能な公共交通網の形成③継ぎ目のない交通の実現(シームレス化)④わかりやすく、安心・便利な交通サービスの提供⑤広域移動利便・観光振興への貢献⑥関係者の協力に基づく計画的な実施―の6つを掲げた。
目標達成に向けた取り組みを見ると、新たに検討・整備を開始するものでは、バス路線網効率化、バス停留所改善、JR苫小牧駅の駅前広場、駅周辺の一体的な再整備推進、沼ノ端駅周辺の複合型生活拠点や明徳町、日新町、三光町の生活拠点における乗り継ぎ拠点整備などを盛り込んでいる。
苫小牧駅関連では、駅前広場の機能再編・強化を図るとともに、旧バスターミナル・周辺施設を含めた駅周辺の一体的な再整備を推進。実施時期は未定だが、駅前広場再整備に合わせて検討する。
乗り継ぎ拠点整備は、沼ノ端駅周辺の複合型生活拠点において2021年度以降、待合施設整備に向けた協議・検討を開始。
明徳町、日新町、三光町の生活拠点では、屋内で快適にバス待ちができるよう沿線の公共施設内に休憩・交流機能などと一体となったバス待合室を設ける。また、バス停付近にある商業施設などの協力の下、施設内の待合空間、トイレの貸し出し、バス運行情報提供など待合環境を整える考え。こちらも21年度以降に協議・検討を始める。
バス停留所改善に関しては、上屋などバス停施設改善に加え、停留所位置の調整や集約、フリー乗降導入を検討。具体的には、広告付きバス上屋やベンチなど整備、目的施設へのアクセス性や沿道環境を考慮したバス停位置の調整や集約を想定している。
計画の最重要課題であるバス路線網効率化では、東西バス路線の集約化やルート、起終点見直しにより、市内主要動線で東西基幹軸を担うバス路線の効率化を図る。
(北海道建設新聞2021年1月27日付9面より)