高架化を核に 釧路市都心部まちづくり計画事業構想編素案

2021年01月29日 10時00分

 釧路市は、釧路都心部まちづくり計画事業構想編の素案をまとめた。関係機関で連携・調整しながら最短でおおむね8年後の着工を目指すJR釧路駅周辺の鉄道高架化を核として、関連する街路整備や土地区画整理などの事業を展開。釧路市だけでなく「ひがし北海道」の玄関口として市民や来訪者が集まり、楽しみ、交流する拠点を形成することでにぎわい創出を図りつつ、防災・減災効果向上も狙う。

釧路駅周辺が大きく生まれ変わる

 2018年度は鉄道高架化とそれに伴う5本の道路整備を前提に、都心部をゲートウェイ、にぎわい交流ゾーン、行政・業務ゾーン、商業・業務ゾーン、まちなか居住推進ゾーンなどの8ゾーンを設定し、施策の方向性を示す同計画基本構想編を策定した。

 事業構想編は、ハード事業の要となる鉄道高架化、街路整備、土地区画整理の具体化に向けた方針を打ち出すもの。19年度から2カ年かけて検討してきた。2月24日まで市民からの意見を受け付け、必要があれば修正し3月に成案化する。

 基本方針は鉄道南北の市街地一体化、歩きたくなるまちなかの形成、市民や事業者と連携したにぎわい拠点づくり、道路網再編による防災減災などを通じた「玄関口としてみんなが憩い楽しみ、訪れやすいまち」。

 鉄道高架化区間はJR根室本線の北中跨線橋付近から木工場踏切付近までを想定。鉄道上に架かる北中跨線橋と旭跨線橋は平面化し38号、44号、久寿里橋通、釧路鶴居弟子屈線などとともに都心部環状道路を形成して都心部の通過交通を排除する。このほか市役所横通延伸部分と柳町公園大通延伸部分に南北連絡道路を新設。北大通と共栄新橋大通を直結するルートは歩行者専用とし、付近にもう1本バス専用道路を設ける。

 駅周辺(ゲートウェイ)は現在の線路北側に高架施設が整備されるとの想定に基づき、現在地北側の高架下に新駅舎、バス専用道路を挟んで西側の高架下にバスターミナル、バスターミナルのさらに西側と新駅舎東側の高架下にタクシー乗降場・プール、一般車両長時間駐車場を配置。東西のタクシープール南側には一般車両の送迎・短時間駐車場を設ける。

 現在の駅舎や南口駅前広場などの空間にはオープンスペースと一体化した大街区を創出し、釧路の顔形成や公共公益機能導入に活用。北口広場周辺や大街区西側、西側一般車両長時間駐車場南側は新たな土地利用を想定した街区と位置付け、歩いて暮らせるまちなかや観光周遊・滞在拠点などの形成を図る。

 にぎわい交流ゾーンを貫く北大通や共栄新橋大通などでは、再整備によって歩きやすく居心地のよい空間づくり(ウォーカブル化)を推進。例えば、北大通の駅前から国道交差点までの区間では幅員30m、4車線の車道を2車線に減らし、短時間駐停車できる沿道アクセススペースやイベントなどに活用可能な歩行者利便増進空間を確保することをイメージしている。

 鉄道高架、街路整備、土地区画整理、北大通などの再構築はいずれもおおむね3年で関係機関との協議や調査、概略設計を完了。その後5年程度で詳細設計、事業計画策定、都市計画決定、事業認可などに取り組み、早ければ8年後に着工というスケジュールを想定している。

(北海道建設新聞2021年1月28日付11面より)

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釧路市が都心部交通戦略素案で14の方策示す(2021年01月25日13面)

釧路市が駅周辺の再整備方針/現在地北隣に新駅舎を配置(2020年11月10日7面)

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