道は、宿泊施設の建設が相次ぐ倶知安町ひらふ地区を温泉保護・準保護地域に指定した。地区内の源泉で水位低下が確認されたことから、新たな温泉掘削への制限措置を講じる。9月15日から施行する。
同地区は近年、外国資本によるホテルやコンドミニアムの建設が進み、温泉開発の数も急速に増えている。掘削許可件数は2014年まで年間1、2件程度だったが、19年には10件に増加。源泉水位の低下など資源衰退の兆候も出ていた。
こうした状況を踏まえ、20年9月に道環境審議会が地区内での持続的な温泉利用に向けた保護対策を答申。新規の掘削を認めない保護地域、既存源泉と一定以内の距離での掘削を許可しない準保護地域の設定を求めた。
道は答申を受け、ひらふ坂沿いのセンタービレッジと呼ばれる一帯を中心とした約90haを保護地域に指定。準保護地域は周辺の山田・樺山地域の一部とし、新規掘削地点は既存源泉から250m以上の距離を確保するよう規制する。
このほか、保護・準保護地域では温泉の採取量を1源泉当たり毎分100㍑以下に制限する。
ひらふ地区は道内で13カ所目の保護地域、8カ所目の準保護地域となる。
(北海道建設新聞2021年2月2日付11面より)